宇和島市と縁のあるフランス人の男性から、市内の小中学校2校にサッカーフランス代表・エムバペ選手の直筆サイン入りの漫画が届いた。男性が2022年に同市を訪れた際に交流した子どもの一言をきっかけに苦労して手に入れた品で、2校はサッカーのスーパースターからのプレゼントを喜び、男性に感謝を伝えている。
 男性はフランス南西部のボンアンコントルで暮らすミシェル・ラビニュさん(65)。日本美術の愛好家で22年、現地のオークションのカタログに載っていた太平洋戦争中の軍刀に付いていた名札を手がかりに持ち主を捜し始め、日本人の協力で宇和島の家族に行き着いた。
 持ち主の故宇都宮政徳さんは、和霊小学校(同市伊吹町)の元校長で、ラビニュさんは競り落とした軍刀を家族に返すため宇和島を訪れた際に同校を訪問。児童が日本の文化を紹介するフランス語の冊子をプレゼントするなど歓待される中で、1人の男児が口にしたエムバペ選手の名が印象に残っていた。
 ラビニュさんは帰国後、和霊小にサインを贈りたいと奔走。23年1月ごろから交流サイト(SNS)などを基にメールや手紙を送り始めたが返信はゼロ。打つ手がない中で24年2月、エムバペ選手の家族が関係する社会活動を紹介するテレビ番組で知った情報をつてに選手のスタッフとつながり、サイン入り漫画5冊を手に入れた。