10 月 17 日(土)、映画『アイヌモシㇼ』が公開初日を迎え、東京都渋谷区のユーロスペースにて初日舞台挨拶イベントを実施しました。

北海道阿寒湖・アイヌコタンを舞台に少年の成長を通して現代のアイヌ民族のリアルな姿を瑞々しく描いた本作。この日は、下倉幹人さん、秋辺デボさん、下倉絵美さんが北海道から東京に駆け付け、福永壮志監督とともに満席となった観客の前で公開初日の喜びを語りました。

―――― まずは幹人さん、初主演映画が公開され、この舞台に立ってどんなお気持ちですか?

下倉幹人さん
監督からお話がきた時にはこんなことになるとはイメージもつかなくて、興味本位で「やってみたいです」とお伝えしたんですけど…。感動しています。

―――― どういう経緯でオファーを受けたのですか?

下倉幹人さん
母の仕事でスペインへ行った時に…

福永壮志監督
当初、青年の物語を考えていたのが少年の話になり、既に関係性が出来上がっていて、印象的な目とか特別なパワーを持っていたので少年の主人公は幹人君しかいないと思っていました。

スペインというのは、初めて一緒に遊んだのがスペインでした。フランスのレジェンシーで脚本を書いていて、絵美さんがスペインで公演があるのでリハーサルの間の面倒をお願いされて、一緒に水族館へ行ったりしたんです。

―――― そこからまさかの映画主演!出来上がった作品をご覧になっていかがですか?

下倉幹人さん
正直、試写で観たときは「撮影の時あんなことあったなぁ」とか映画の話よりそっちで盛り上がったので、これから映画館で観るのが楽しみです。

―――― お母さん役であり実際にお母さんの絵美さんはご覧になっていかがですか?

下倉絵美さん
私も映画館ではこれから観るのですが、ほとんどが阿寒湖のそばで生活している知っている人だらけなので、みんながドギマギしながら演技している!って(笑)

みんなが真剣に取り組んでイイ映画にしようとしているのを感じて、観ていてジーンとしました。

―――― 監督はこの作品を制作するにあたり、アイヌのどんな部分に惹かれたのでしょうか。

福永壮志監督
北海道出身ですが、(アイヌのことを詳しくは)知らずに思春期を過ごし、アメリカに渡ってからアメリカ人の先住民に対する意識の差を感じて、その時に自分の生まれ育った北海道にアイヌという先住民がいるのに全然知らないことにハッとして、知らないことが恥ずかしいことだと思って、いつか映画を撮れたらとぼんやり思いました。

創るにあたっては創り方もとても大事だと思ったので、行き着いた先が皆さんに(出演を)お願いすることでした。

―――― デボさんにはいち早くオファーがあったそうですが、どんなオファーでしたか?

秋辺デボさん
覚えていないです。

映画を創るにあたって、ストーリーの展開とか、アイヌだったらどうかということがアドバイス出来たらいいなと思って監督と付き合っていたけど、あんな風に映画に出されるとは思っていませんでした。

だいたい初めて会った時、なんだか暗くて不景気な男だなって。うまいこといって追い帰そうと思ったんです。でも、熱心でねぇ。

監督は最初から出すつもりだったかもしれないけど、そんな気はなかった。アイヌがアイヌを演じるのは難しいですよ。

福永壮志監督
出ていただくのは最初の頃から思っていました。

デボさんには本当に撮影の大黒柱として、出演者としてだけではなくて、文化的なところも、脚本も一番読んでもらったと思います。