映画『鬼平犯科帳 血闘』の完成披露上映会

 映画『鬼平犯科帳 血闘』(5月10日公開)の完成披露上映会が23日、都内の劇場で行われ、松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子、中村ゆり、本宮泰風、浅利陽介、山田純大、久保田悠来、志田未来、北村有起哉、山下智彦監督が参加した。

 池波正太郎氏の生誕100年を記念した、『鬼平犯科帳』を映像化するプロジェクトの一環。“鬼平”こと長谷川平蔵役で主演を務めた幸四郎は、「傑作を傑作にしようと作った。よってたかってすごいものを作りました。人と人とがつながりあって起こる人間ドラマ。その人間を感じていただきたい。過去の『鬼平犯科帳』と見比べてほしい」と呼びかけた。

『鬼平犯科帳』は池波氏の三大シリーズの一作品に数えられ、“時代劇の金字塔”として長きに渡り愛されてきた。初代松本白鸚(八代目松本幸四郎)が、“初代”長谷川平蔵を演じ、その後丹波哲郎、萬屋錦之介、そして二代目中村吉右衛門と受け継がれてきた。

『鬼平犯科帳』を演じることを「天命」とした幸四郎は、「鬼平犯科帳はいつの時代にも存在する。自分自身も長谷川平蔵を勤め上げることが天命だと思っている。そのくらいしっかり受け止めて、引き受けて、なりきってしっかり勤め上げる」と決意表明した。

 平蔵の宿敵・網切の甚五郎を演じた北村はもともと『鬼平犯科帳』の大ファン。「吉右衛門さんのとき見ていてお亡くなりになられたとき、鬼平がどうなるのかファンとして心配していた。でも幸四郎さんが演じられると聞いてほっとした」と役が引き継がれたことに安堵。同時にヒール役のオファーもあり「これは大変なことになった」と慌てたという。

 本作を「痛快娯楽時代劇」と名付け、「痛快って最後にスカッとする娯楽性が大事。僕が演じる役が最後に斬られたときにスカッとしてくれればいいと思っていた。個人的に鬼平のファンだったので、最後斬られたときは僕自身も痛快でしたね! なるべく憎たらしく演じました」と悪役としての姿勢を明かした。ENCOUNT編集部