日本国籍を持ち日本人として生活しているにもかかわらず、名前から留学生と判断され不採用に

 日本国籍を持ち、日本国内で日本人として生活しているにもかかわらず、名前から留学生と判断され採用を断られたという就活生の投稿がネット上で物議を醸している。いったい何があったのか。2025年に専門学校を卒業予定だという投稿者の学生に話を聞いた。

「こんにちは エントリー、セミナーエントリーありがとうございます。スカウトメールをお出ししておきながら、大変申し上げにくいのですが、弊社では留学生さんの採用はおこなっておりません。誠に申し訳ありませんでした。なにとぞ、ご了承願います。 人事部」

 今月20日、ある学生が投稿した企業からの不採用通知がSNS上で拡散。学生は不採用通知の内容を受け、「名前のみで留学生だと判断されたこと、非常に残念に思います」「結論から申しますと、私は日本人です。留学生ではございません。私はナイジェリアにルーツを持ちますが、日本生まれ日本育ちで、日本国籍を持っております」「見た目や名前で外国人であるか否かを判断するのはとても失礼なことです。今後二度となさらないようお願いいたします」と企業に対し抗議のメールを送っており、その後企業から「この度は大変申し訳ございませんでした。今後の対応を改めて参ります」という謝罪のメールがあったと伝えている。

 学生は一連の投稿で「敬語とかぐちゃぐちゃになっちゃったけど言いたいことは伝えられた 朝から気分最悪」「名前ひとつでその人の国籍を判断するのはとても失礼なことだってわかって欲しい」とつづっている。ネット上では「これはコンプライアンス的に問題。時代錯誤過ぎる」「企業を晒さないのすごい理性的でえらい」「これは企業名晒すべき」と企業に対する批判の声が殺到。「私もハーフで新卒の就職活動で同じ経験を数社で経験しました」「以前、私も名前を理由にマンション申込みを断られたことがあります」といった共感の声も寄せられている。

「現在20歳で、専門学校に通っています。『あさがくナビ』という就活情報サイトで企業からのスカウトが送られたためエントリーし説明会を予約したところ、留学生の採用はしていないと断られてしまいました」と投稿者。企業からの謝罪を受け入れた上で、在籍中の学校には事態を共有しているといい、「私のような思いをする就活生が1人でも減ることを願っています」と話している。

 2022年には大手牛丼チェーンの吉野家が、外国籍であることを理由に学生の採用説明会への参加を拒否していたことが大きな問題に。株主総会で社長が謝罪する事態となった。今回拡散した投稿内容の事実関係について、当該企業はENCOUNTの取材に「現在担当者が不在のため確認ができていない」と回答している。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム