『星列車で行こう』取材会に出席

 TOBE所属の7人組アイドル・IMP.のリーダー、影山拓也が22日、京都市の京都鉄道博物館で行われた単独初主演舞台『星列車で行こう』(7月27日〜8月19日・京都南座、8月23日〜26日・御園座)の取材会に演出を手掛ける歌舞伎俳優・坂東玉三郎らと参加した。

 乗ると夢を見つけられるという伝説がある列車を舞台に繰り広げられる、若者たちの姿が描かれるオリジナル作品。”自分がないこと”に悩み、自身の力で運命を切り開きたいと『星列車』に乗り込む青年・太郎を演じる影山は「(太郎は)自分に似ているなと思う部分がありまして。夢を求めて星列車に乗る3人の相談役じゃないですけど、アドバイスしたりは冷静にできるんですけど、自分のことになってしまうと、行き詰ってしまうじゃないですけど、わからなくなってしまう。『自分はどうしたいのか』っていうところがあるので、少し『影山拓也』という人物もおろしながら、太郎をしっかりイメージして演じていきたいと思います」と力を込めた。

 単独初主演については「話をいただいたときは、素直にうれしい気持ちと驚きがすごかったですね。何といっても、玉三郎さんの元でお芝居をさせていただくっていうのは、これからもずっと僕の中でも宝物になるので、一生懸命演じさせていただきたいなと」と意気込んだ。

 影山起用について、玉三郎は「(TOBE代表取締役の)滝沢(秀明)さんとは2年前に『何か作りましょうか』っていう話はあって。せっかく話し合いがあったんだからということで、今回キャストとして(影山を)出してくださった」と経緯を明かした。滝沢氏からかけられた言葉を聞かれた影山は「滝沢さん自体、僕らに対して、そんなにこと細かくものを語らない方なんで『玉三郎さん演出の”星列車で行こう”っていう舞台に影山出るから、よろしくね』って(だけでした)」と告白。聞いていた玉三郎は「(滝沢氏は)いつも相談しても言葉ないんですよ。話し合いにならない」と同意するように笑った。

 玉三郎のイメージを聞かれた影山は、歌のけいこを振り返り、「僕は舞台(芝居)で歌を歌うっていう経験がなかったので、声の出し方からすごく厳しく指導していただいたことが個人的にうれしくて。年を重ねていくと、あまり(周囲が)言ってくれなくなることが多いじゃないですか。でも、僕一人に対して、普段お忙しくされているのにもかかわらず、歌げいこのときにとても真剣に向き合ってくださったっていうのがすごいうれしくて。いま、この時代でも影山拓也と真剣に向き合ってくださる方っているんだなって。ホントにそれがうれしくて、なんとしても(今作を)成功させようという気持ちが改めてわきました」と熱い指導に感謝した。

 影山の「舞台で歌を歌ったことがない」という発言に、玉三郎が疑問を抱く場面も。玉三郎は「『人前で歌ったことがない』っていうのはウソ。歌いながら生きてきたんでしょう」と確認。影山が「舞台で歌わしていただくことが、ほとんどなくてですね」と返すと、玉三郎は「ホント?」と驚いた。ここで影山が「ライブで」というと、玉三郎は「ライブは舞台」という認識を口にし「いわばストレートプレイで歌ったことがないということ」と理解した。「失礼しました」と謝罪する影山を、玉三郎は「すごく明るくて前向きな青年」と評していた。

 列車の旅は、ジャンルの垣根なくセレクトされた往年の名曲で彩られるといい、玉三郎は堀内孝雄の『家を出てゆきたい』『旅はいいもんだ』などを挙げた。この日は共演の石井一孝、松田悟志、松村龍之介も出席した。

 また、玉三郎は、16日に死去した俳優・中尾彬さんを悼んだ。1976年に舞台『マクベス』で共演以来、顔を合わせていなかったというが「ここのところお会いしたいと思っていました。残念です。最近、篠山(紀信)さんといい、亡くなる方が多くて」と寂しそうな表情で話した。ENCOUNT編集部