ソアラ、チェイサー、アコード、いすゞ・ジェミニ 80年代の国産名車が圧巻

 スター俳優たちが再び共演で話題の映画“劇中使用車”に、熱視線が送られた。「A PIT オートバックス東雲」(東京・江東区)の早朝カーイベントが開催。「80’s(1980年〜89年の国産車)」がテーマで、激アツで懐かしい63台が続々集結した。中でも、舘ひろし&柴田恭兵で大ヒット中の映画『帰ってきた あぶない刑事』で撮影に使用されたF31レパードが登場し、会場を大いに盛り上げた。

 ゴールドのツートンカラーのいでたちが圧巻オーラを放つ。赤色灯の演出が、興奮を誘う。一躍“時の人”となった日産レパードのオーナーに“接触”することができた。

 レパード車両を探していた東映サイドのオファーから始まり、相談を受けた神奈川・平塚の専門店カーショップフレンドの長年の顧客であった男性オーナーに話が来たそうだ。

「この個体は1987年式で、25年ぐらい前に手に入れました。2年ほど前に撮影のお話をいただきました」

 それまでホイールなどを自分の好きなスタイルにいじっていたが、伝統の名作シリーズへの使用が決まり、フルノーマルに戻したという。「映像としてずっと残りますし、何より熱心なファンの方も多いです。ノーマルに戻そうと決めたんです。マフラーは社外品だったので、当時の作品を確認して、純正マフラーを取り寄せました。リアガラスにフィルムを貼っていたのですが、はがしました。はがす作業でダメージを受ける可能性があると聞いたので、ガラスごと交換しました」。最大限のリスペクトの思いを抱き、気合いを入れて整備し直した。

 スペシャルな“カスタム”も加わった。サンバイザーの裏側にはなんと、舘、柴田、仲村トオルのお宝サインが。唯一無二の激レア車になったと言えよう。

 幸運にも夢が実現し、謙遜しまくりの男性オーナー。いちレパードファンとしても感慨深げだ。「レパードが底値の時代から乗ってきて、『こんな鉄くずに乗ってるの?』『早く捨てなよ』と散々言われてきました。長年、夢を追い続けていると、かなうことがあるんだな。そう実感しています」と、爽やかな笑顔を見せた。

 ちなみに、“あぶデカ”仕様は期間限定。いつかは、元の改造スタイルに戻すつもりだという。

 16日に行われた今回のカーミーティングは、雑誌『ハチマルヒーロー』とのコラボ実現となった。スカイライン、シルビア、ローレル、フェアレディZ、180SX、ハチロク、ソアラ、チェイサー、アコード、いすゞ・ジェミニ……。こだわりあふれる粒ぞろいの名車が集った。見学は30台以上になり、多くのクルマファンも駆け付けた。

 真っ赤なS12型シルビアの男性オーナーは筋金入り。「平成元年から乗っています。当時4年落ちぐらいで買いました」。一昨年に全塗装でピッカピカに。エンジンは3基目。前回オーバーホールを施しており、万全を維持している。「ずっと乗っていきますよ」と力強く語った。

 今年の夏も、クルマ愛好家たちの情熱でアツくなりそうだ。7月はマツダ・ロードスター特集を予定している。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム