河瀨直美監督は期待「日本映画の新しい扉を開いてくれる可能性ある」

 プロ野球・西武の前監督の松井稼頭央氏の長女で、モデルの松井遥南が17日、都内で行われた国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」のアワードセレモニーに、ミラー怜監督、同作をエグゼクティブ・ディレクターとしてサポートした河瀨直美監督とともに出席した。

 松井はこの日、自身が出演し、なら国際映画祭(9月20日開幕)でプレミアム上映する初主演の短編映画『Muffin’s Law(マフィンズ・ロー)』のPRで登壇。「このような場所に出席できて感謝しています。初めての作品でとても緊張しましたし、いたらないところもありましたが、監督や河瀨さんに支えられ、無事にこの日を迎えられました」とあいさつ。

 すると、河瀨監督から、米国で幼少期を過ごしてバイリンガルであるため「(慣れない)日本語を覚えてきて、すごい緊張している」と指摘されて照れ笑い。松井は「英語のほうが得意」と言い、流ちょうな英語であいさつし直そうとするも、必死にしゃべっていた日本語と混乱して断念した。

 出演の感想を求められると松井は、日本語で「はい、え〜、『Muffin’s Law』に“ご”出演して……“ご”出演して!?」と敬語に慣れず自ら笑う一幕も。それでも「本当に毎日が刺激的で、学ぶこともたくさんありました。『Muffin’s Law』はハートウォーミングな作品だと思っておりまして、主人公がいろんな将来の葛藤と、もがきながらまわりの皆さんに支えられていくストーリー。そのときの私とすごい重なる部分がある。演じていても楽しかったですし、学びもたくさんありました」とほほ笑んだ。

 河瀨監督は「現場中、ボロボロ泣くんですよ」と明かし、「泣くほど必死なんですよ」と松井の懸命さに言及。「私の世代は、英語をできて演技ができる人って、日本にあんまりいない。でもこの人たちの世代は、こうして英語もできて、演技もできる人がどんどん出だしている。これから先、日本映画の新しい扉を開いてくれる可能性がたくさんある」と語った。

 セレモニーには、『Muffin’s Law』を手がけたミラー怜監督も出席した。

 同映画祭は、今回で26回目を迎える米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭。本年は「Illuminate Your Life 〜いのち 照らせ セカイ照らせ」をテーマに、映画祭史上初となる、全編全てをAIが制作したショートフィルムや、パレスチナの難民キャンプを舞台にした物語、ミサイル攻撃を生き残った人々のスマートフォンフッテージから制作されたドキュメンタリー、宗教や文化の違いを背景に描かれるダイバーシティを訴えかける作品など、現代の「いのち」や「人生」、「生活」と、それを取り巻く「セカイ」を照らし出すショートフィルムの数々が集結している。6月17日まで開催される5か所のリアル会場と合わせ、世界約114の国と地域から集まった4936点以上の中から、選りすぐりの約270作品を上映。ENCOUNT編集部