カリフォルニアを本拠地とする「シンガー」(Singer Vehicle Design)は、空冷式ポルシェ911のレストアを手掛けるメーカーとして名を馳せている。今回このシンガーとコーンズが代理店契約を締結。シンガーにポルシェ911のレストアを依頼する顧客をサポートするとともに、シンガーがしたポルシェ911の日本におけるサービスやメインテナンスを行う。

964型のみを取り扱う

シンガーでは、1989年から1994年までの964型のポルシェ911のレストアと再構築を顧客のオーダーに応じて行う。ちなみに、シンガーは車両の製造や販売は行っていない。

4つのレストア・サービスを用意

レストア・サービスは4タイプ。「クラシック」と「DLS」はNA(自然吸気)エンジン車のレストアで、「ターボ・スタディ」と「DLSターボ」は、その名のとおりターボ・エンジン車のレストアとなる。

レストアはオーナーのオーダーに応じて行われる。ただし、911であることを崩してしまうのではなく、あくまで再構築がキーワードで、軽量化やパワーアップ、制動力の向上、現代化を果たすため、ウィリアムズやBBS、レカロ、ボッシュなどのサプライアーの協力のもと、レストアされることになる。

使命は911の素晴らしさと伝統を称えること

シンガーの創業者兼会長であるロブ・ディキンソン氏は、「2009年にシンガーを設立して以来、我々の使命はポルシェ911の素晴らしさと伝統を称えることだった。目標はこの象徴的なスポーツカーへの情熱を共有する、世界中のオーナーやエンスージアストとつながること。優れた自動車文化の中で911が熱狂的な支持を集めている日本でも活動できることに心躍る想いで、日本での挑戦はこれからだが、ラグジュアリーのスペシャリストであるコーンズ・グループは、我々を深く理解し、日本市場で成功するために欠かせない存在になるのを確信している」とコメントしている。

コーンズ・モータースの代表取締役社長兼CEOの林 誠吾氏は、「コーンズは、1964年に総代理店としてラグジュアリー・ブランド車の輸入を開始した。60 周年となる節目の年に、新たに我々が目指すところであるクルマのサステナビリティのひとつの手法であるラグジュアリー・レストレーションの世界を牽引するシンガー社とパートナーシップを締結できたことを、心から誇りに感じている」と60周年を迎えたコーンズ、そしてシンガーとの代理店契約についてコメントした。

シンガーは、英語以外で初めて日本語のウェブサイトも開設し、コーンズとともに空冷式ポルシェ911のレストア・ニーズに応えていくことになる。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)