「時効警察はじめました」中島美嘉はメロン被っても大物女優がハマっていたと言っても過言ではないのだ4話

テレビ朝日系の金曜ナイトドラマ「時効警察はじめました」(一部地域を除き金曜よる11時15分〜)先週11月8日放送の第4話はゾンビ映画のお話だった。劇中では「ロマンティックを止めるな」なる25年前に撮られた映画が登場。それは70分にわたる全編をカメラを回しっぱなしワンカットで撮ったということで、当時話題を呼んだという……って、どこかで聞いたような。

監督が撮影中に死亡したいわくつきの映画


だが、この映画が話題を呼んだのはそればかりではない。監督の唐沢浩一郎(津田寛治)が、撮影中にナイフで刺されて死亡したといういわくつきの作品でもあったからだ。唐沢の遺体は、映画のラストシーンで主演の折原千賀子(中島美嘉)が棺を開き驚愕の表情を見せ、カットがかかったあとで棺のなかから発見された。警察に押収されたマスターテープには、映画本編に続いて遺体が見つかり、騒然となる役者たちの様子が収められていた。上映されると、幽霊が映っているとの噂も立ち、ますます話題を呼ぶ。

捜査の過程で唐沢の台本に「俺は自殺する」と当人が書きこんでいたのが発見されるも、検死の結果、他殺で間違いないと断定された。殺人の最有力被疑者には、折原が浮上する。撮影前夜に、宿泊先の旅館で、唐沢から彼女がパワハラを受け、「殺してやる」と言っていたと女将(清水よし子)が証言したためだ。だが、映画の初めのほうに出演していた唐沢を、ずっとカメラが回るなかで全シーンに出ずっぱりの彼女が殺すのは無理だとされ(正確には3分間だけ彼女が出てこない場面があったが、そんな短時間のうちに犯行を完遂するのはやはり不可能と判断)、アリバイが成立、事件は未解決のまま時効となった。

この間、折原は初出演した映画が話題を呼んだのを機に人気女優へとのし上がり、恋愛ドラマやヒューマンドラマ、医療ドラマ(白衣のポケットに手を入れ、大勢の医師を引き連れて歩く姿がこれまたどこかで見たような)などに主演する。しかし最近は仕事が激減していた。現在の数少ない仕事であるメロンのCMでは、全身メロン姿の被り物で出演しているのが、いかにも落ち目感が漂う。中島美嘉も久々のドラマでよくやったなあ……。


カトちゃん、ちょっとだけカメオ出演


肝心のゾンビ映画も、コンプライアンスがしきりに唱えられるなか、現在では上映が禁止されていた。この状況に、折原たちキャスト・スタッフは不満を抱き、全員が再結集してリメイク版を撮ることになる。ゾンビも旧作以上に増やすということでオーディションを実施、ゾンビ・ホラー映画大好きっ子の刑事課の彩雲(吉岡里帆)も上司の十文字(豊原功補)の制止を振り切り、有給休暇をとって参加。審査する折原たちの前で、見事にゾンビになりきって(ゾンビメイクもしていないのにしているかのように見えたって、『ガラスの仮面』の北島マヤばりの名演かよ)見事合格する。

もちろん折原に話を聞くため、われらが時効管理課の霧山修一朗(オダギリジョー)も交通課の三日月(麻生久美子)と一緒に有休をとり、オーディションから撮影まで立ち会うこととなった。そこでは、出演者のひとり岸田(演じていたのは朝ドラ「なつぞら」で注目された板橋駿谷)が、ほかの役者のセリフを飛ばして自分のセリフを言ってしまう癖があることや、折原が撮影前日、監督にパワハラされたあと、彼氏に電話で泣きついたところ、すぐに彼氏がやって来たため、さらに監督に怒鳴られたことなどがあきらかになる。1日目の撮影が終わり、旅館で霧島と三日月・彩雲が浴場から出てきて「いい湯だな」の話で盛り上がっていると、加藤茶(本人)がちょっとだけ登場するという本筋には関係ない小ネタもあった。

加藤茶の登場後、霧山は折原から「飲み直さない?」と誘われ、バーカウンターで話しこむ。確証はないものの唐沢を殺したのはやはりあなたではないかと言う霧山に、彼女が「サスペンスドラマの主演ゲストじゃないんだから」とメタなセリフを言うのが可笑しい。なお、本シリーズ恒例の被疑者が嘘をつくときの素振りだが、今回は折原がいきなり瓶の牛乳を飲み出すというものだった。人間は嘘をつくと体温が上がり、風呂上がりでもないのに瓶の牛乳を飲みたくなるものらしい。

三日月、裏番組の井之頭五郎に塩を送る


翌日、いよいよリメイク版の撮影が始まり、彩雲(出演予定の俳優が体調が悪くなって降板したため急遽彼女がメインキャストに加わっていた)のほか霧山と三日月もゾンビ役で出演するのだが、あまりに演技が下手で外されてしまう。
結局、事件解決の確証を得られないまま、有休は明け、キャスト全員にサインしてもらったポスターだけを署に持ち帰った。そのポスターを壁に貼ったところ、十文字に破られて真っ二つに……それを見た霧山はいつものごとく何かに気づいて、絶叫しながら立ち上がった。

というわけで解決シーン。霧山は、例の映画がワンカットではなく、いったんカットがかかったのを、あとで前半と後半をつなぎ合わせたものだと喝破する。唐沢が折原に刺されたのは、この両パートのあいだのできごとであった。遺体が棺から見つかって騒然となる場面も、出演者が申し合わせて台本をつくって演技したものだった。それが証拠に、岸田はこのときもほかの出演者を飛ばして自分のセリフを発していた。前半と後半をつなぎ合わせたという証拠となったのは、彼女が3分だけ画面から外れているあいだに、さっきまで窓の外に映りこんでいた人物が、次の場面では消えていたことだ。ちなみに映りこんでいたのは、前夜に帰ったはずの折原の彼氏だった。彼氏は彼女のことが心配で、こっそり撮影を見守っていたのである(幽霊の正体もこの彼氏)。

そして、前半と後半をつなぎ合わせて映画を完成させるよう指示したのは、ほかならぬ監督の唐沢だった。唐沢は撮影に熱くなるがあまり、いったんカットをかけて折原にダメ出ししたため、彼女から衝動的に刺されてしまう。だが、折原の才能をこんなことで埋もれさせたくなかった唐沢は、台本に自殺だと書きこんだうえ、撮影の続行を指示したのち絶命したのだった。まさに「映画を止めるな」。熱血漢の映画監督役は津田寛治のキャラクターとぴったり合っていて、説得力があった。

霧島が説明し終えたあと、折原はあっさり犯行を認めると、「すべて世間に公表して」と言って悲劇のヒロインとして振る舞おうとする。もちろん、事件はすでに時効を迎えているのでそれには及ばない。ここでおなじみの「誰にも言いませんよ」カードの出番(今回は「誰にも言いませんよカードZ」。Zはゾンビ、そして全員のZ)。カードを渡された折原、「何よこれ。こんなのありえない! 私の物語はもっと劇的で、もっと悲しくてせつないものなの。こんなゆるい結末ありえない! これじゃまるで深夜ドラマじゃないの」とまたしてもメタに訴えるが、それを霧山と三日月「まあゆるくてもいいんじゃないですか、人生って案外こんなもんですよ」「それに深夜ドラマってすごく面白いですよ、テレ東とか」となだめて一件落着。って、三日月、他局に塩を送ってどうする。

「カメ止め」のパロディ(あ、言っちゃった)で始まった本話だが、それ以上に、劇中映画がいまでは上映が禁止されているという設定が、ここしばらく映画界に起こったさまざまな騒ぎ(映画祭での上映中止やら、出演者が逮捕された映画に対する文化庁の助成金不交付やら)と妙にシンクロしていて興味深かった。

今夜放送の第5話では、趣里が主演ゲストで登場。監督は、趣里とは映画「ただいま、ジャクリーン」や「勝手にふるえてろ」ですでにタッグを組んだ仲である大九明子が務める。趣里は三日月役の麻生久美子とも今年、根本宗子作・演出の舞台「クラッシャー女中」で共演しているだけに、再共演に期待がふくらむ。さらに劇中、事件に巻き込まれる漫才コンビに空気階段の二人が扮する。さらにさらに、エキレビ!で「岡野陽一のオジスタグラム」を好評連載中の岡野陽一も出演するとか。そんなわけで、私としては本シリーズでもっとも楽しみな回と言っても過言ではないのだ。よろしくお願いします!(近藤正高)


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