6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

大人にとっては体作りに有効な筋トレですが、小学生がしてもよいのでしょうか?トレーニングのしすぎは身長に影響するという話もありますが、正しい量や方法を取り入れれば、得られるメリットも多いです。

今回は、小学生が筋トレをするメリットや注意点、おすすめのトレーニング内容を紹介します。

小学生が筋トレをするメリット

AdobeStock

日々の筋トレが小学生に及ぼすよい影響は、大きく4つです。筋力アップはもちろん、さまざまなメリットが実感できるでしょう。

姿勢がよくなる

体の奥には「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉があり、関節を安定させたり姿勢を保ったりする役割を担っています。インナーマッスルや背中の筋肉を鍛えるトレーニングをすれば、よい姿勢をキープしやすくなります。

猫背は集中力や内臓の働きを低下させたり、体が冷えやすかったりと、よくない影響を及ぼすので、筋トレによって猫背を解消できれば、見た目だけでなく体の機能の上昇も期待できるでしょう。

柔軟性がアップする

筋トレで収縮した筋肉は硬くなるので、「筋肉がつくと体が硬くなる」と思われがちですが、筋トレをすると柔軟性は向上します。特に、関節を大きく動かすレジスタンストレーニングのような筋トレでは、柔軟性が向上することも多いようです。

柔軟性と筋力の両方が備わると、さまざまなスポーツに応用できるので、小学生が筋トレをする場合はストレッチと併せて行うのもよいしょう。

筋力がつく

「筋」トレなので当然ですが、継続したトレーニングは筋力アップにも効果があります。筋力は、階段を登ったりものを持ち上げたりと、日常的な動作でも必要な力です。筋力が強ければ動作が楽になりますし、基礎代謝がアップして脂肪が燃焼しやすくなるので、肥満予防にもなります。

ケガをしにくくなる

腹筋や背筋、太ももなどの「体幹」と呼ばれる部分が弱いと、体をうまく支えることができません。姿勢が保てないだけでなくフラフラと安定しないこともあり、ケガをしやすくなります。

筋トレによって体幹がしっかりとすれば、フラフラしたり転んだりするリスクが低減するので、ケガの予防効果も期待できるでしょう。

子供の頃から筋トレをするメリット(http://www.plus-trainers.com/news/detail0042.html)
腹筋で運動能力に差がつく!運動が苦手な子どもに必要なトレーニングとは(https://papamo.net/heyasuponavi/kodomo-fukkin-training/)

小学生が筋トレをすると背が伸びなくなる?

AdobeStock

「子どもの頃から筋トレをすると、背が伸びなくなる」という噂は、筆者が子どもの頃からありますが、本当でしょうか?諸説ありますが具体的な根拠は存在しないので、筋トレをしたからといって、背が伸びなくなることはないといえます。

2007年に行われた実験によると、筋トレを継続的に行った子どもとそうでない子どもでは、身長の伸びに大きな差がないこともわかっているので、小学生が筋トレをしても問題はありません。

しかし、筋トレでエネルギーを使いすぎると、成長のために必要なエネルギーが不足する可能性があります。激しい筋トレを毎日長時間続けるのは、身長の伸びを妨げるリスクがあるので、ほどよく行うのがよいでしょう。

小学生で筋トレはしてもいいの?身長や成長への影響は?(https://mama.chintaistyle.jp/article/syougakusei_kintore/)
小学生の筋トレはOK!成長を妨げずに効果を上げるために必要な事(https://the-build.online/training/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E7%94%9F%E3%81%AE%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%81%AFok%EF%BC%81%E6%88%90%E9%95%B7%E3%82%92%E5%A6%A8%E3%81%92%E3%81%9A%E3%81%AB%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%82%92%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B/)

自宅で簡単!小学生におすすめの筋トレ5選

AdobeStock

小学生によい効果が期待できる筋トレは、大きく5つです。自宅で簡単にできる筋トレを、成長の妨げにならない範囲で続けてみましょう。

腹筋

腹筋を鍛えれば、体をしっかりと支えたり安定感がよくなったりします。大人にとってもなじみ深い腹筋ですが、正しい方法は以下の通りです。

(1)あお向けに寝て膝を立てる。手は頭の後ろで組む
(2)おへそをのぞき込むように上半身を持ち上げる
(3)上半身を元に戻す
(4)(1)〜(3)をゆっくり10回繰り返す

体力テストの上体起こしは勢いをつけて速く行いますが、反動をつけて起き上がっても腹筋はあまり鍛えられません。筋トレの際は、ゆっくりとした動きを意識しましょう。

また、体を完全に起こしたほうがよいと考える人もいますが、毎回しっかり起き上がると腰への負担がかかりやすくなります。上半身は、おへそをのぞき込む姿勢になるところまで引き上げればOKです。

腕立て伏せ

腕立て伏せは、体積の多い3つの上半身の筋肉を同時に鍛えられます。また、腕立て伏せをするためのポーズを維持するには、背中やお腹、そしてお尻の筋肉が必要なので、全身の筋力アップにもおすすめです。腕立て伏せの手順と方法を確認しましょう。

(1)肩幅より少し広めに両手を置く
(2)胸が床に触れるくらいまで肘を曲げ、元に戻す
(3)10回1セットで繰り返す

腰を反り過ぎない、お尻を突き出さないことを注意し、肩からつま先までが一直線になるよう意識しましょう。

まだ筋肉の少ない小学生は、はじめは肘を曲げられないかもしれません。難しい場合は、両膝を床について負荷を軽くし、慣れてきたら膝を床につかないようにするのがおすすめです。

プランク

体幹を強くするプランクの手順は、以下の通りです。

(1)うつ伏せから両手と両膝をついて、四つん這いになる
(2)肘は90度のままで、両足を伸ばす
(3)(2)の姿勢を30秒維持する

腕立て伏せの体制の、肘を曲げたバージョンというと、伝わりやすいでしょうか。顔は前に向け、肩からつま先までが一直線になっていることを意識してください。

プランクを続けると体が安定しやすくなりますし、基礎代謝アップも期待できます。また、肩こりや腰痛の改善効果もあるといわれているので、続けると「ランドセルが重くて肩が凝る」といった症状を軽減できるかもしれません。

もも上げ

足を持ち上げるもも上げは、下半身のさまざまな筋肉を一度に鍛えられ、足が速くなる効果もあるといわれています。

(1)壁に両手をつく
(2)足を少し後ろに下げて上半身が前傾姿勢になるようにする
(3)片足の膝が腰の高さまで来るように持ち上げる
(4)足を下ろして反対の足も同様に持ち上げる
(5)(3)(4)を繰り返す

ついている足は、地面に押しつけるようにします。両手はただ壁につけておくのではなく、壁を押すようにすると、より高い効果が得られます。

慣れないうちはゆっくりと、正しく動かせるように行い、慣れてきたら徐々にスピードを上げると、筋肉や走る速さによい影響を与えてくれるでしょう。

スクワット

太ももの前後の筋肉やお尻の筋肉を鍛えられるスクワットは、骨盤周りの筋力アップで、姿勢の安定や冷えの解消などにも貢献します。ただ膝を曲げてしゃがむのではなく、筋肉が使われているのを感じながら行いましょう。

(1)つま先をやや外向きにして、足を肩幅に開く
(2)太ももが床と平行になるまで膝を曲げる
(3)ゆっくりと膝を伸ばして元の姿勢に戻る
(4)(1)〜(3)をゆっくり10回繰り返す

膝を曲げたときは、お尻を後ろに突き出すようにしますが、背中はまっすぐに保って腰が曲がらないようにしましょう。

はじめは太ももが床と平行になるまで曲げるのが大変かもしれません。まずは正しい動かし方を定着させることを目標にして、無理のない位置で止めてください。

腹筋のやり方…正しい鍛え方とよくあるNGな仕方(https://allabout.co.jp/gm/gc/468426/#goog_rewarded)
小学生がやるべき筋トレ5選(https://rehab-tokushima.com/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E7%94%9F%E3%81%8C%E3%82%84%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%80%80%EF%BC%95%E9%81%B8/)

小学生が筋トレをする際の注意点

AdobeStock

簡単にできてよい効果が期待できる筋トレがあれば、日常的に行ってよりよい体作りをしてほしいと思うのが親の気持ちでしょう。しかし、小学生が筋トレをする前には、知っておきたい注意点もあります。

目的を間違えない

大人になってからの筋トレは、体を大きくしたい、脂肪を燃焼させて体型を整えたいなど、目的に合わせて行いますが、小学生の筋トレの目的は、あくまでもほどよい筋力アップや、正しい筋肉の使い方を覚えることです。

目的を間違えると、がむしゃらに激しい筋トレをしてただ体力を消費するだけになったり、筋肉の使い方を間違えてケガをしたりしてしまいます。

「何のために筋トレをするのか」は、始める前に親子で必ず確認しましょう。

保護者が見守る

年齢が上がれば子どもだけでも筋トレの回数や方法を正しく決めて行えますが、低学年や中学年など、まだ年齢の低いあいだは保護者が見守ることも大切です。

筋トレ動画を見て真似をしても、子どもは正しい動きができているかわかりません。また、回数やトレーニング内容も、最適かどうか判断するのは難しいでしょう。

どんな筋トレをするか、何回するかなどのルールを保護者と一緒に決め、筋トレの際は保護者が動きをチェックすると、効率的で効果の実感できるトレーニングを実現しやすくなります。

やり過ぎない

筋トレは「1回から2回、5回、10回」のように、成果や成長がわかりやすいため、大人もハマってしまう人は少なくありません。子どもも夢中になってやりすぎてしまう可能性がありますが、成長過程の小学生は筋トレばかりやり過ぎるよりも、ストレッチや有酸素運動などをバランスよく行ったほうが、運動能力が向上します。

勉強や習い事など、日々やらなければいけないことも多い小学生が筋トレばかりやり過ぎると、日常生活に支障を来す場合もあるので、じゅうぶん注意しましょう。やり過ぎ防止のためにも、やはり保護者の見守りと管理は必要です。

睡眠や栄養をしっかり取る

筋トレをすると筋肉がダメージを受けますが、そこから回復することで筋力がアップしたり、体力がさらについたりします。回復のために欠かせないのが、睡眠や栄養です。

睡眠や栄養が不足していると、せっかく筋トレをしても高い効果が期待できないだけでなく、身長の伸びにも影響を及ぼすかもしれません。筋トレでエネルギーを消費しているのに栄養も睡眠も足りなければ、成長のためのエネルギーを確保できないので、規則正しい生活やバランスのよい食事をより一層意識しましょう。

筋トレがおすすめなのはどんな小学生?

AdobeStock

ほどよい筋トレは、筋力アップだけでなく、柔軟性アップや姿勢改善など、さまざまなよい効果をもたらします。セロトニンというホルモンが分泌されることでメンタル強化も期待できる筋トレは、多くの小学生におすすめですが、特に運動があまり得意ではない子どもは、積極的に筋トレをするとよいでしょう。

小学生の筋トレは自宅でできるものが多く、自分と保護者だけで取り組めます。運動が苦手な子どもは外遊びに積極的に参加しない、スポーツ系の習い事をいやがるなど、運動の機会が少ないことも多いです。

筋トレやストレッチをコツコツ行えば、筋力や柔軟性がアップし、気がつかないあいだに運動能力が上昇していることもあります。少しずつできるトレーニングや回数が増えれば、「いろいろなスポーツに挑戦してみようかな」という自信や前向きな気持ちも芽生えるでしょう。

効果的な筋トレで、体力や運動能力をアップさせよう!

AdobeStock

小学生の筋トレは、筋力アップをはじめとしたさまざまなよい効果をもたらします。正しい方法や内容を守れば、「筋トレをすると背が伸びなくなる」ということもないでしょう。

筋トレは小学生だけでなく、大人の基礎代謝アップや体型改善にも役立ちます。

運動が得意な子どももあまり得意でない子どもも、自宅で取り組める筋トレを保護者と一緒に始めてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい
背が伸びる子の特徴や身長アップのポイントは?子どもの身長には環境も大きく関係! 子どもの成長のなかで、身長の伸びが気になる保護者の方は少なくありません。背が伸びる子には、大きく3つの特徴が見られます。この記事では、背が伸びる子に見られる特徴や背が伸びる仕組み、身長アップのためのポイントを解説します。
あわせて読みたい
「こどもとおふろ」はいつまでOK?こどもだけでの入浴のために保護者が指導するポイント 6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。成長とともに、自分のことを自分でするようになるこどもたち。食事や着替えなどは2歳、3歳と年齢を重ねるうちに徐…