「近所のおじさんだよ」と娘に説明した、近隣住民のAさん。何気なく娘に発したこの一言で娘がカワイイ勘違いをしていたとは、このときは想像もしていませんでした。娘が見ていた世界を想像すると笑いが止まりません。

「近所のおじさんだよ」

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 4歳の娘と一緒にスーパーに買い物に出かけたときのことです。娘と2人で歩いていると
 「こんにちは」と声をかけられました。振り返ると、そこにはわが家の近所に住む60代くらいのAさん。

 「こんにちはー」と挨拶をし
 「一緒にお買い物なんていいねぇ、それじゃあね」とおじさんが言って去っていくと、娘が私に
 「だれ?」と小さい声で聞いてきました。私も小さい声で
 「近所のおじさんだよ」と答えると、娘は目を見開いて
 「え!? そうなの?」とリアクション。

 「なにをそんな驚くことがあるんだ?」と思いつつ娘を見ると、おじさんの去っていく姿をじっと見つめる娘。怪訝そうにおじさんを見つめる娘を、不思議に思っていましたが、このとき深くは追及しませんでした。

娘のリアクションがおかしい?

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 帰宅後、娘がおもむろに
 「ねぇ、今日スーパーで会ったさぁ…」と話し始めたので
 「ああ、おじさん? Aさんだよ」と答えると、
 「え、Aって言うんだぁ!」と驚いた顔。

 リアクションに違和感を覚えながらも
 「すぐ近くの、B公園のあたりに住んでるんだよ」と教えると、
 「え?! 1人で? 家に住んでるの?」とまたまた驚いた顔。変だなぁと思いながらも
 「うん、たぶん1人で住んでるんじゃないかな?」と答えました。娘は
 「へぇ…」と何か考え込むような表情。

 後日、近所のB公園で遊んでいました。その公園から見えるところにAさんのお家があり、庭で洗濯物を干していました。それに気づいた娘が
 「あ、ねぇ! あれ!」と言うので
 「ああ、Aさんだね、挨拶してこようか」と私。いつもなら自分から
 「こんにちわー」と言う娘が、この日は、私の後ろにくっついてついてきます。

 「こんにちはー」と声をかけ、
 「いいお天気ですね」
 「最近ひざが痛くてね」など軽く世間話。

 おじさんと別れた直後、ぴったりとくっついて一言も発さなかった娘が
 「ねぇ! なんかさ、日本語上手だよね!」と大発見をしたような顔をしています。私は子どもの着眼点は良く分からないなと思いつつ
 「そうだねぇ? 日本人だしね」と答えると
 「あ、そうなんだ!」というリアクションでした。

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 その後、また公園で遊んでから休憩していると、娘が唐突に
 「ねえ、金魚ってひざあるの?」と聞いてきました。
 「金魚? ひざ? ひざはないんじゃないかな? 足ないし」と突然の金魚の話題に戸惑いながら答えると…。

  「え、だって! さっき膝が痛いって言ってたじゃん!」と娘。さっきのAさんとの会話のことかと思い至り「金魚の話はしてないでしょ。あれはAさんの膝が痛いって話だよ」と答えました。

娘の勘違いに爆笑

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 娘は良く分からないような顔をしながら
 「え? だって! あのおじさん金魚なんでしょ?」と言いました。私は娘の発言が理解できず
 「どういうこと? なんでAさんが金魚なの? どう見ても人間だよ」と返しました。

 すると
 「だってママが言ったんじゃん! 『金魚のおじさん』って言ってたもん!」と怒り出す娘。「金魚のおじさんなんて言った覚えがないぞ…」と思いながら記憶を辿っていると… 「金魚のおじさん… きんぎょ… きんじょ… 近所のおじさん?!」とピンときました。

 私は爆笑しながら
 「違う違う! 金魚じゃなくて、近所! お家の近くって意味だよ!」と娘に説明しました。
 「えー?! なんだよもう! 紛らわしいなぁ!!」とプンプン怒りながらも、つられて笑ってしまう娘。

 思い返せば娘のリアクションは最初から変でした。全て「近所→ 金魚」と勘違いをしていたことからの反応だったのかと合点がいき、お腹がよじれるほど笑いました。

 たしかに人間のおじさんに見えているものが、実は金魚だったとなったら、子どもにとっては相当怖いかもしれません。娘にとっては未知の生き物に会ったような気分だったのでしょう。そんな娘の心の葛藤を思うと余計に可笑しく、カワイイ勘違いだったなと記憶に残っています。

(ファンファン福岡公式ライター/K)

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