福島の日本酒造り、その技術の高さを示す結果となりました。「全国新酒鑑評会」の結果が発表され、福島県は18の銘柄が金賞を獲得しました。

兵庫県が19銘柄だったため、惜しくも日本一とはなりませんでしたが、福島の日本酒のうまさを証明する結果となりました。

日本酒の味や香りなどを審査して出来栄えを競う「全国新酒鑑評会」。

そのなかでも、特に優れたものに「金賞」が与えられます。

福島県は2022年まで、この「金賞」を受賞した銘柄の数が9回連続で日本一を誇っていましたが、残念ながら去年、その座を山形県に明け渡し、全国で5番目となりました。

その悔しさから1年、ふたたび、日本一となれるのか…22日、結果発表の時を迎えました。

二本松市の酒蔵を訪ねると、東日本酒造協業組合の殿川慶一理事は、「期待してます。とりたいです。」と話し、緊張感を高めていました。

こちらの酒蔵では、2024年も日本酒「奥の松」を出品し、ここまで、福島県内最多の14回連続で金賞を受賞してきたとあって、その記録を15回に伸ばせるのか、関係者が固唾をのんで結果を待ちました。

そして、県産品を多く取り扱う、県観光物産館では、「金賞受賞数」が日本一になったら、すぐにお祝いできるようにと大きな垂れ幕を準備していました。

県観光物産館の櫻田武館長は「おいしくできたと思うし、素晴らしい出来栄えだと思うので、期待しているし、日本一奪還は間違いないだと勝手に思っている」と話していました。

午前10時、県酒造組合では、審査結果が発表されると、関係者が都道府県ごとの金賞の数を数えます。

福島県内からは18銘柄が金賞を獲得しましたが、兵庫県の19銘柄にあと一歩及ばず、日本一返り咲きとはなりませんでした。

県酒造組合の渡部謙一会長は、「率直に一蔵差だったので悔しい。2023年は14蔵金賞だったので、4蔵伸ばすことができて、全体的な品質は上がっていると思います」と話します。

集計作業に立ち会った「日本酒の神様」こと県の日本酒アドバイザーの鈴木賢二さんは、2024年の結果について「兵庫県は、灘の大手が非常に多いので、技術力がうまく向上したことで今回の結果になったと思っています。新しい酵母も開発されているので、その性質をきちんと把握して、情報収集して前向きに取り組んでいきたい」と話しました。

一方、15回連続の金賞受賞が期待された「奥の松」でしたが、今回は惜しくも金賞の一歩手前=「入賞」でした。

東日本酒造協業組合の遊佐丈治代表理事は、「うちが入ってたら(一位)タイだった」と肩を落とし、殿川慶一理事も「責任感じちゃう。でも、お酒は美味しいお酒だと思うので飲んでいただければありがたい」と話しました。

2024年に発表された審査結果を詳しく見てみると、特に優れた日本酒とされる金賞の数は福島県は18銘柄と、全国で2番目だった一方で、優秀な日本酒とされる「入賞酒」の数は31銘柄と、その数は兵庫を抜いて、日本一でした。

「やはり、福島の酒はうまい!」この結果に、県観光物産館の櫻田武館長は、「入賞数は日本一、31の蔵の皆さんが入賞したので、その部分に関しては日本一だったと思うので、それは本当に安堵している。負けたけれども、残念だけれども、満足している。チャレンジしたところは、評価できるのではないか」と話しました。