近年は、貯蓄を単なる預金または預貯金だけでなく、投資によって行うことも一般的になりつつあります。その際、投資に関する言葉で「S&P500」というものがあることをご存じでしょうか。   S&P500はアメリカの株価指数の一つで、米国株に投資する際にはとても役に立つ指標です。この記事では、S&P500とはどのようなものなのか、またS&P500を利用して投資する際のメリット・デメリットについて解説します。

S&P500とは?

S&P500とは、アメリカ株式市場の代表的な株価指数の一つで、S&PはStandard & Poor’sというアメリカの格付け会社のことです。S&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の時価総額で、アメリカの大企業500社の株価状況を総合的に示す指数なのです。
 
S&P500は、1980年代初頭から計算が開始されており、長期的な価格推移を見ると、右肩上がりの上昇トレンドが続いています。ただし、金融危機などの市場の不安定要因が発生した時期には、大きな下落を経験していることも事実です。例えば、2008年のリーマン・ショックでは、S&P500は急落し、ピークから50%以上も下落しました。
 
その後、アメリカの景気回復や、政府・中央銀行の政策によって、S&P500は回復し、2013年には過去最高値を更新しました。その後も、S&P500は継続的に上昇を続けており、世界の投資家が注目するアメリカの市場動向を把握する上で非常に重要な指標といえるでしょう。
 

S&P500などの株式指標に連動するインデックスファンドのメリット・デメリット

S&P500は信頼性が高い指標であるため、これと連動した投資信託商品も数多く存在します。しかし、このような投資信託への投資にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。
 

・S&P500のメリット

S&P500はアメリカの大企業を対象にした指標であるため、リーマン・ショックのような経済全体の危機を除けば、安定した運用ができることが最大のメリットです。値動きが分かりやすく、大きなパフォーマンスで投資をすることができます。
 
また、運用コストが比較的低いことも特徴です。S&P500などの株価指標と連動する「インデックスファンド」は、投資信託を購入する際の手数料が低くなる傾向があるため、長期的な資産運用でもコストを抑えることができます。
 

・S&P500のデメリット

一方でS&P500のデメリットは、短期間で大きなリターンを得にくいという点です。基本的にインデックスファンドの場合は、市場全体の平均値程度の値動きしかしないため、それを大幅に超えるような利益を出すことは難しくなっています。
 
また500社というたくさんの企業を対象に、さまざまな投資先に振り分けて投資をすることになるため、一部の企業で大幅に利益が出たとしても、そのほかの企業の損失によってそこまで大きなリターンとはならない場合があります。
 
このように、S&P500はあくまでも中長期での投資を考える方におすすめの株価指標といえるのです。
 

S&P500を詳しく知って適切に投資しよう

S&P500は値動きが分かりやすく、それと連動するインデックスファンドは手数料などの運用コストも低いため、初心者でも購入しやすい投資商品です。
 
自分がどのような投資をしたいか、期間や目標などをよく考えて、あまり投資について詳しくない人や中長期で低リスクな資産運用を行いたいという人は、ぜひS&P500に連動する商品を選んでみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー