歌手活動やバンド活動経験者の中には、「大勢の前でライブを開催したい」という夢を抱いたことのある方も、いらっしゃるのではないでしょうか?   あるいは、インディーズで活動する推しのバンドに対して「いつかはメジャーデビューして、広い会場で思いきりパフォーマンスしてほしい」と願っている人も、いらっしゃるかもしれません。   ただ、普段の生活において、ライブチケットの価格に関する情報は得られても、開催費用について知る機会は、おそらく少ないはずです。   そこで、本記事では、1000人収容の貸し切りライブを開催した場合の費用を、実在する会場の利用料金をもとに、ご紹介します。

貸し切りライブ開催における費用項目をチェック!

貸し切りライブの開催にあたって、必要となる費用項目の一例は、以下のとおりです。
 

・会場費
・機材レンタル料
・広告宣伝費(フライヤーやポスターのデザイン料・印刷代 など)
・弁当・ケータリング
・イベント保険 (出演者・スタッフ・観客の安全のための保険)
・人件費(受付スタッフ・音響照明スタッフ・セキュリティースタッフ・サポートミュージシャン など)

 
会場費は、利用日(平日or土・日・祝日)や利用時間(午前・午後・夜間)によって異なります。設営撤収に数日必要な場合は、本番当日前後の会場費が加算される場合もあります。
 
機材レンタル料は、会場費とセットになっているケースもありますが、持ち込みや別途レンタルが必要な場合は、その分の予算も考慮しておかなければなりません。
 
また、会場の広さやホールの設計、演出の規模などによって、必要な機材の種類や量はもちろん、スタッフの人数や弁当・ケータリングの量も変わるため、これらにかかる費用も異なります。
 
このように、ライブ開催にかかる費用には、収容人数をはじめ、日程や演出などのさまざまな条件が影響します。
 

【1000人収容】貸し切りライブの費用をケース別にご紹介

ここからは、1000人収容可能な会場でのライブ開催費用を「大型ライブスペース」「多機能ホール」「多機能ホール+音響サービス」の三つのパターンに分けて解説します。
 
実際にライブを行う場合は、さらに、スタッフの人件費や宣伝広告費などが加算されることを念頭に、ご覧ください。
 

ケース1:大型ライブスペース

まずは、大型ライブスペースを利用して、貸し切りライブを行った場合の費用をご紹介します。
 
スタンディングで1300人収容可能、シーティングで565席設置可能なライブハウス「Spotify O-EAST」(東京都渋谷区)を例にみていきましょう。
 
図表1

項目 費用(税込み)
会場使用料 132万5000円
※月〜木曜日の利用、保証額込み
音響人件費 13万5300円〜
※ハウスオペレート・モニターオペレート・アシスタント 各1名ずつ配置した場合
照明人件費 2万9700円〜
※1名配置した場合
舞台人件費 作業量により応相談
合計 149万円〜

※「Spotify O-EAST料金表」より筆者作成
 
月曜日から木曜日の開催で149万円〜。金曜日・祝前日・土曜日・日曜日・祝日に開催の場合は、会場使用料が割り増しされます。
 
さらに、LEDビジョン一画面(49万5000円)や、プロジェクター一面(2万7500円)などのオプションを利用する場合は、総額およそ200万円となります。
 

ケース2:多機能ホール

次に、プロ仕様の音響・照明設備の整った、多機能ホールでの開催費用の一例として、スタンディング約1000人、着座時約450人収容可能な「KANDA SQUARE」(東京都千代田区)の「SQUARE HALL」の費用詳細をご紹介します。
 
図表2

項目 費用(税込み)
基本会場費 88万円
※9:00〜20:00
仕込み・撤去日料金 44万円
※9:00-20:00、2日間まで
照明付帯設備 2万2000円〜
※基本照明のみ、調光・スポットなしの場合
音響付帯設備 2万2000円〜
※BGM、マイク3本、シーリングスピーカー
音響・照明・映像技術人件費 4万6200円(チーフオペレーター)
3万5200円(サブオペレーター)
※立ち会いのみ 3万5200円
会場備品 設営・撤去人件費 2万2000円〜
※設営3時間・撤去3時間まで/1名につき
合計 146万7400円〜

※「KANDA SQUARE HALL 料金と設備」より筆者作成
 
KANDA SQUARE HALLの場合は、平日休日問わず9:00〜20:00の開催で、2日間の仕込み・撤去日料金を含めて146万7400円〜。
 
映像機材の利用(11万円)や客席へのスタッキングチェアの設置(2万2000円/500脚まで)を含めると、およそ160万円となります。
 

ケース3:多機能ホール+音響サービス

貸し切りライブの開催形式として、ホールを借り、音響・照明まわりを別の業者に依頼する方法もあります。
 
着席で2471人収容可能な「TOKYO DOME CITY HALL」(東京都文京区)のエンドステージを借りて、音響を株式会社 夢咲(YUMESA)に依頼した場合の費用をみてみましょう。
 
図表3

項目 費用(税込み)
基本利用料金
(TOKYO DOME CITY HALL エンドステージ)
231万円
※平日9:00-23:00
音響プラン
(YUMESA)
39万500円〜
※機材料金24万2000円、スタッフ料金14万8500円
合計 270万500円〜

※「TOKYO DOME CITY HALL 利用料金一覧」「株式会社 夢咲(YUMESA)料金表」 より筆者作成
 
ホールの貸し出しのみを行っているTOKYO DOME CITY HALLを利用した場合は、音響専門業者への依頼も含め約270万円〜。
 
基本料金は、開催日のみに適用され、設営・撤去日が別途必要な場合は、138万6000円(平日9:00-23:00)/日が加算されます。
 

【調査結果】1000人収容ライブは約150万円+αで実現可能!

1000人収容可能なライブスペースや多機能ホールは、全国に数多く存在します。
 
本記事でご紹介した、ライブスペースや多機能ホールを利用する場合は、それに基本的な音響・照明設備の使用料を含めた約150万円に、人件費や宣伝広告費などを加算した額が、開催費用の総額となります。
 
今後、コンサートやライブに足を運ばれる際は、バンドの演奏はもちろん、会場や音響・照明へのこだわりにも、注目してみてはいかがでしょうか?
 

出典

株式会社渋谷テレビジョン Spotify O-EASTホール資料 料金表
住商ビルマネージメント株式会社 KANDA SQUARE SQUARE HALL 料金表
株式会社東京ドーム TOKYO DOME CITY HALL 利用料金 利用料金表
株式会社 夢咲(YUMESA)料金表 各プランの基本料金について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー