「コンビニ弁当よりも自分で作った弁当の方が安い」というのは周知の事実かと思いますが、「朝から手間と時間をかけて弁当を作るくらいなら、高くてもコンビニ弁当を買った方が効率的だ」と考える人も多いでしょう。   では、冷凍食品を詰め込むだけならどうでしょうか。これなら「手間・時間・お金」が節約できそうです。本記事では、冷凍食品詰め込み弁当のコスパについて、コンビニ弁当と比較計算してみます。

コンビニ弁当の価格

頻繁にコンビニ弁当を購入する人は気付いているでしょう。物価高騰の影響でコンビニ弁当も徐々に値上がりし今や高級品となっています。筆者は先日、「おいしそうだな」と手を伸ばした弁当が税込み600円超えで思わず手を引っ込めました。
 
本記事では、弁当の定番である「幕の内」をベースにして、冷凍食品詰め込み弁当との価格差を計算してみたいと思います。まずはコンビニ大手3社で取り扱っている幕の内弁当の価格を図表1で確認しましょう。販売エリアは東京都、価格は税込みとなっています。
 
【図表1】


 
各社公式ホームページなどより筆者作成
 

冷凍食品詰め込み弁当の価格

弁当に入れられる冷凍食品の種類は数多くあります。本記事では、2023年5月23日時点でネット販売されていたお弁当のおかず12種類セット(1袋当たり382円)を冷凍食品の金額とします。スーパーなどで購入すればもっと安い場合もあるでしょう。
 
セブン‐イレブンの「お好み幕の内」に入っているおかずは、ハンバーグ、焼き魚、ちくわの磯辺揚げ、コロッケ、ひじき、ウインナー、漬物の7種類です。ウインナーと漬物は脇役として除外し、「冷凍 お弁当のおかず12種類セット」から選んだ類似品5種類を詰め込んだ場合でおかずの価格を計算してみましょう。
 
【図表2】


 
アマゾン公式サイト 冷凍 お弁当のおかず12種類セットより筆者作成
 
弁当に詰めるご飯は5キログラムで2000円の米を使用し、0.5合分詰めるとします。1合は炊飯前の米150グラムなので、0.5合当たりの米単価は30円です。冷凍食品詰め込み弁当の価格は、299円+30円=329円となりました。
 

冷凍のまま詰め込めるのは「自然解凍可能」に限る

「冷凍食品=衛生的」というイメージはありませんか?
 
しかし、冷凍食品を冷凍のまま詰め込むのは危険な場合もあります。自然解凍で食べられる弁当用の冷凍食品は、製造時に厳しい衛生管理が求められているものです。「自然解凍可能」と表示がある冷凍食品以外は、加熱調理してから弁当に詰めるようにしてください。
 

【まとめ】少しの節約でも続ければ大きな金額になる

コンビニ弁当と冷凍食品詰め込み弁当の価格差は、コンビニ弁当を500円とすると171円となり、冷凍食品詰め込み弁当の勝利という結果になりました。
 
しかし、「170円しか変わらないのか」と思った人も多いでしょう。ただ、170円の節約を年間240日(月20日出勤×12ヶ月)続けると4万800円にもなるのです。コンビニに行かないことで不要なついで買いが減る、高い弁当を買う日もあるという点まで考慮すると、170円どころではない節約になるのではないでしょうか。
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士