子どもや家庭の事情などで、地方暮らしの両親を都内老人ホームに入れたいと考えることもあるでしょう。老人ホームに入居するには高額な費用がかかるといわれていますが、実家を売れば引っ越し費用や入居費をまかなえるのでしょうか。   この記事では、都内老人ホームの入居費用と地方から都内までの引っ越し費用について説明します。

都内老人ホームの入居費

老人ホームの入居費は、推定移住期間の家賃などを前払い金として払う入居費と、管理費や食費などが含まれた月額費があります。都内の介護付き有料老人ホームの入居費は、中価格帯で300万円から1000万円程度、高価格帯では2000万円以上です。ロイヤル介護によると、サービス付き高齢者向け住宅は入居費の平均値が60万円、月額費の平均値が17万3000円と有料老人ホームより安くなります。サービスの提供や設備面、人件費などで入居費や月額費が変わるため、介護体制が充実した老人ホームほど高額になるといえるでしょう。また入居一時金がない老人ホームもありますが、その分月に払う料金が高くなる可能性があります。月額費を両親の年金などでまかなっていくと考えるのであれば、月額費を抑えるために入居費を払う老人ホームを選ぶことが大切です。
 

地方から都内への引っ越し費用の相場

引っ越し料金の内訳は、基準運賃や実費、オプション料金が含まれた費用です。基準運賃は距離が100キロメートル未満だと時間制料金となり、100キロメートル以上のときと積載量が多いトラックを使用した場合は距離制運賃で計算します。実費は引っ越し作業員の荷役料、段ボールなどの梱包(こんぽう)費や有料道路代などが含まれ、オプション料金は不用品処分代やエアコン取り外しなどの付帯サービス料です。
 
地方から都内への引っ越し料金は、移動距離からおおまかな費用の相場をだします。地方から都内までの距離は中部地方で150キロメートルから430キロメートル、九州沖縄地方で1000キロメートルから2000キロメートルと長距離です。東京都の引っ越し料金の平均は、単身引越しナビによると、距離500キロ以上家族2人の場合17万9100円ですが、3月から4月は繁忙期のため27万4000円と高くなります。さらに距離が伸びたり荷物が多かったりすると割高になってしまうので、なるべく荷物を少なくして引っ越し費用を抑えることが重要です。また国土交通省によって運賃の基準が決められているので、どこの引っ越し業者を選んでも運賃に大きな差はありません。
 

実家を売れば引っ越し費用や老人ホームの入居費をまかなえる?

都内有料老人ホームに入居させる場合、入居費がおよそ1000万円、両親のため2倍として2000万円程度です。実家を売って引っ越し費用や老人ホームの入居費用をまかなうとした場合、2000万円以上で家を売却しないといけません。サービス付き高齢者向け住宅であれば入居費の平均値が60万円のため2人で120万円となり、実家の売却額にもよりますが、引っ越し費用や両親の入居費をまかなえる可能性があるでしょう。
 

実家の売却金額や都内老人ホームの種類によっては入居費や引っ越し費をまかなえる

都内老人ホームには介護付き有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅など種類があります。介護施設が充実している老人ホームほど高額になり、長距離や引っ越しの荷物が多いほど引っ越し費用が高くなることが分かりました。実家の売却金額や老人ホームによっては入居費や引っ越し費をまかなえます。ただ、両親が快適に暮らしていけるように、金額面だけでなく設備面やサービスの充実さをよく調べて、都内老人ホームの検討をしましょう。
 

出典

ロイヤル介護 東京都の老人ホーム・介護施設の相場と費用について(一覧)
単身引っ越しナビ 【人数別】東京都内への引越しにかかる費用の相場は?おすすめ業者5選も紹介
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー