社会人となり給与を受け取るようになると、友人たちとお金の話をする機会も増えるでしょう。   特に、貯金の話をした際に、友人たちのほうが多くのお金を貯めていると聞けば、不安になるものです。収入や生活水準には個人差があるため、貯金額の正解を導き出すのは困難ともいえます。   とはいえ、同年代の一般的な貯金額を知っておくことは重要です。本記事では、20代の平均貯金額などをみていきましょう。

20代の平均貯金額

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(東京都江東区)では、「20代の金銭感覚についての意識調査2023」を実施し、20代のお金事情について調査しました(調査期間:2022年11月25日〜28日、調査対象:全国20〜29歳の男女1000名)。それによると、20代の平均貯蓄額は64万円となっています。
 
ただ、ボリュームゾーンは50万円以下(全体の44.7%)です。20代前半の平均貯蓄額は39万円ですが、20代後半になると106万円と、同じ20代でも前後半で差があります。このことから、20代をひとくくりとして貯金や貯蓄の金額を語るのは難しいことがうかがえます。
 
貯蓄には、預貯金だけではなく株式や投資信託などの金融商品も含まれるのが一般的です。ただ、同調査では「現在貯蓄できているお金はいくらあるか?」と尋ねているため、回答はおおむね預貯金額と近いと捉えて問題ないでしょう。
 
さらに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果もみてみましょう。2022年の同調査によると、20代で一人暮らしの人の金融資産保有額の平均は176万円でした。預貯金のみの平均額は87万円となっています。平均預貯金額に限ってみれば、SMBCコンシューマーファイナンスの調査結果と大差はありません。20代の貯金額の平均は、60〜90万円ほどといえるでしょう。
 

貯金額を増やすコツ

20代の会社員という属性は同じでも、収入や生活水準が異なれば貯金額も異なります。ここでは、貯金額を増やすコツを紹介します。
 

一定額をあらかじめ貯金に回す

貯金は、意図的に行わなければ難しい人も少なくありません。貯金額が友人たちと比べて少ない場合は、毎月決まった金額を貯金へ回すことから始めてみましょう。給与を受け取ったら、そのうちの一定額をあらかじめ貯金に回す方法は効果的です。
 
また、余ったお金で生活費をやりくりすることで、家計管理能力も養われます。さらに、収入が増えたり無駄遣いを省けたりした場合は、貯金に回す金額を増やしましょう。貯金の習慣が身につけられるのも、この方法のメリットです。
 

固定費を見直す

生活をしていると、さまざまなことにお金がかかりますが、固定費が家計に占める割合は大きいといわれています。毎月必ず必要になるものであり、費用が確実に積み上がっていくためです。
 
固定費をクレジットカード払いや引き落としにしていると、毎月支払っている感覚が薄れかねません。貯金ができない理由となっている可能性があるため、まずは、この固定費の見直しから始めてみましょう。
 
家賃や光熱費の基本料金、サブスクサービス、保険、スマホなどの通信料など、さまざまな固定費があります。本当に必要なサービスかということを考えると同時に、ほかに安い契約先やプランがないかを改めて比較検討してみるとよいでしょう。固定費が節約できれば、毎月貯金に回せる金額も確実に増やせます。
 

収入を増やす

副業や転職、資格取得などで収入を増やすのも、貯金を増やす有効な手段です。生活水準を維持できれば、増えた収入分をそのまま貯金に回せます。20代であれば、収入を増やすためにさまざまなことにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
 

貯金額の正解は人それぞれ

20代の平均貯金額は60〜90万円ほどとみられますが、ボリュームゾーンは50万円以下となっています。とはいえ、貯金額は収入や生活水準に大きく左右されるので、正解は人それぞれといわざるを得ません。
 
まずは、自分の貯金額を確実に増やすことを考えましょう。受け取った給与のうち一定額を貯金に回したり、固定費を見直したりする方法が有効です。副業や転職などにより収入が増やせれば、貯金額も徐々に増えていくでしょう。
 

出典

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 20代の金銭感覚についての意識調査2023
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー