結婚相手にある程度の経済力を求めるのは、子に苦労をかけたくないという親心なのでしょう。タイトルのケースでは、「年収400万円以上」と具体的な金額を提示されていますが、実際にこの条件をクリアできる男性は日本にどれくらいいるのでしょうか。また年収400万円あれば、どのような暮らしができるのでしょうか。   本記事では、年収400万円以上の人口割合や生活レベル、日本の夫婦の経済事情について解説します。

日本の平均年収や職業別の年収事情

国税庁長官官房企画課の「民間給与実態統計調査」によると、令和4年の日本の年間平均給与は、458万円となっています。男女別では、男性563万円、女性314万円という結果でした。なおこれは全体の結果であり、調査の対象となっている人の平均年齢は47.0歳(男性 47.1 歳、女性 46.9 歳)です。
 
仮に、結婚相手の男性を20〜30代だとします。その年代での平均年収は、20〜24歳では291万円、25〜29歳では420万円、30〜34歳では485万円、35〜39歳では549万円という結果になりました。そのため平均年収で考えれば、親御さんのいう「年収400万円以上」の男性は、25歳以上であればクリアしていることになります。
 

日本における年収400万円以上の割合

25歳以上の男性であれば、平均年収が400万円を超えていることが分かりましたが、実際にこの壁をクリアしている人の割合はどれくらいなのでしょうか。
 
「民間給与実態統計調査」に記載されている給与階級別給与所得者数・構成割合によると、男性の年収400万円以上の割合は65.3%と結果が出ています。つまり、2人に1人以上は「年収400万円以上」の壁をクリアしていることになります。
 
ちなみに分布でみると、年収400万〜500万円の人が17.7%と最も多く、次に500万〜600万円の人が14.2%でした。なお、より経済的に豊かな生活を求めるために年収1000万円以上の男性を探すとなると、その割合は全体の8.4%となり、条件を満たす男性を探すのは、大変困難といえるでしょう。
 

年収400万円の生活レベルとは

次に、「年収400万円」ではどのような生活を送れるのか見ていきましょう。年収400万円の人の一般的な手取り額は、年収から社会保険料や税金を引くと300〜320万円程度になると考えられます。またこれを12ヶ月で割り、月収にすると約25〜約26万円になります。
 
共働きではなく、夫の手取りである約26万円だけで、夫婦と子ども一人の生活を送るシミュレーションをしてみましょう。家賃は一般的に手取りの20〜25%のため、6万円と仮定します。残り20万円で、食費・光熱費・教育費・娯楽費・雑費などを支払います。
 
さらに将来のために貯蓄や投資にもお金を回そうとすると、子どもが成長するにつれて食費や教育費も上がっていくため、やりくりが大変になるかもしれません。
 

必要なお金に合わせて共働きも検討しましょう

年収400万円では少し足りないかもしれないと考えた場合、共働きを検討する必要があります。男女共同参画局によると、男女共働きの世帯は、昭和の終わり頃から徐々に増加傾向にあり、昭和55年に614万世帯だったのが、平成29年には1188万世帯まで増加しています。
 
このような傾向にある原因は、世帯年収の減少による経済的安定を求める世帯が増えたこともあるでしょう。しかし、それだけではなく、女性の社会進出や女性の労働に関わる制度ができたり、見直されたりしていることも理由といえます。
 
また、「家事や育児は女の人がやるもの」という意識も少しずつ見直されてきているため、「家庭のことは男女関係なく、みんなで支え合うもの」といった価値観が、これらの結果に影響しているでしょう。
 

家族みんなで協力しながら生活をしていきましょう

現在の日本の平均年収は458万円、男女別にみると年収400万円以上の男性は65.3%いることが分かりました。年代別にみても25歳以降の平均年収は400万円を超えるため、この条件を満たした男性を探すこと現実味のない話ではなさそうです。
 
しかし、求める生活やライフステージによって、必要なお金は変わってくるため、年収400万円でのやりくりが難しくなる場合もあります。そのため、男女関係なく労働・家事・育児を協力しながら行っていくことも、将来のために検討するとよいでしょう。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和4年分民間給与実態統計調査―調査結果報告―
男女共同参画局 男女共同参画白書
男女共同参画局 男女共同参画白書
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー