4月から新社会人になり、「新人は誰よりも早く出社して朝会の準備をしなさい」と上司に言われた人もいるかもしれません。朝会のプロジェクター設営や資料印刷、机の整備など一連の準備のため、始業時刻よりもかなり早く出社する必要がある場合は、準備時間は労働時間に含まれるのではないかと疑問に思う人もいるでしょう。   本記事では労働時間の定義について説明するとともに、「朝会の準備は労働時間に含まれるのか」について解説していきます。労働時間について詳しく知りたい人はぜひご覧ください。

そもそも労働時間とは?

労働時間とは、雇用主の指揮命令下で働いている時間をいいます。厚生労働省によると、労働時間については以下のように定められています。

●雇用主は1日に8時間、1週間に40時間を超えて勤務させてはいけない
●雇用主は労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与える必要がある
●雇用主は少なくとも週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけない

例えば、勤務時間が9時〜18時までと定められている会社であれば、お昼休憩などに1時間休みをはさむことで1日に8時間勤務としなければいけないといった具合です。改めて「1日8時間勤務となっているか」「勤務時間が6時間を超える場合は休憩時間を正しく取得できているか」「休日は確実にとれているか」など、自分の労働時間の状況について確認しておきましょう。
 

朝会の準備は労働時間に含まれるの?

厚生労働省によると、労働時間は「使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」と定められています。そして「作業前の準備や作業後の片付け・掃除などしている時間」も労働時間に含まれるとされています。
 
つまり、今回のように朝会を行うために準備をするようにと会社から指示されている場合は、準備の時間を労働時間としてよいということになります。
 
ただし、会社から指示されているのではなく、自主的に準備をしている場合は労働時間として認められていません。あくまで「会社から義務付けられている場合」のみ、労働時間とみなされる点を留意しておきましょう。
 

会社命令かどうかわからない場合はどうしたらいいの?

今回のように会社から指示されて朝会の準備をしている場合は労働時間に含めることが可能ですが、会社から言われていないものの暗黙の了解で準備しなければいけないケースもあるかもしれません。
 
先ほどの定義の通り、「使用者の明示または暗示の指示」がある業務時間は労働時間に該当します。例えば自分以外の入社1年目のメンバーが全員朝会の準備をしていたり、入社2・3年目の先輩が全員就業1時間前に出社していたり、と明確な指示がなくても事実上強制されているものは労働時間に該当する可能性が高くなります。
 
暗黙のルールといっても、本当に労働時間として含めていいのかわからない場合もあるでしょう。その場合には労働時間としてもいいのかを上司に確認するとよいです。上司に確認して労働時間ではないと言われた場合には、会社の人事部などにも聞いてみましょう。労働時間は給与に関わる大事な部分です。不明点は解消するようにしましょう。
 

会社から指示されている朝会の準備は労働時間に含まれる!

労働時間は、明示・黙示を問わず、使用者の指揮命令下にある時間と定められており、今回のような朝会の準備は労働時間に該当します。会社に義務付けられているかどうかがポイントになるため、労働時間かどうか判断に迷う場合には上司または会社の人事に確認しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間・休日
厚生労働省 労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー