思わぬけがや病気により、日々の生活に影響が出る方もいます。 けがや病気の状態によっては、障害年金の対象となる可能性があるため、確認しておきましょう。   障害年金は条件に該当していれば、自分で申請をしたあとに支給される年金です。 がんも対象の病気なので、条件に合っていれば利用できる可能性も少なくありません。   今回は、障害年金の概要や、がんが対象となる条件などについてご紹介します。

障害年金とは

障害年金は、病気やけがが原因で日常生活や仕事に影響を受けている方が利用できる年金制度です。
老後に受け取る老齢年金と同じように、障害年金にも「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類で成り立っています。
 
日本年金機構「障害年金」によると、障害基礎年金と障害厚生年金に共通する条件は以下の通りです。

●初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
●初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

さらに、障害基礎年金や障害厚生年金は、それぞれ以下の条件も満たしている必要があります。

障害基礎年金

●障害年金を申請するけがや病気の初診日が、国民年金に加入中もしくは20歳より前か日本在住かつ60歳以上65歳未満の未加入期間であること
●障害が認定された日に、障害等級表で決められている1級か2級に当てはまっているとき(ただし、認定日よりもあとに障害の度合いが重くなった場合は受給できるケースもある)

障害厚生年金

●障害年金を申請するけがや病気の初診日が厚生年金の加入期間中である
●障害が認定された日に、障害等級表で決められている1級、2級に当てはまっているとき(障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給される)

なお、障害年金は自動で支給されるものではなく、受給するためには自分で申請をなければなりません。
申請が通れば、障害が認定された日の翌月分から受給可能です。
 
なお、あとから症状が重くなって申請する場合は、請求した月の翌月から年金支給が開始されます。
つまり、申請が遅くなるほど受け取れるタイミングも金額も少なくなるため、条件に該当した時点でなるべく早く申請することが大切です。
 

がんも障害年金の対象?

がんも障害年金を受け取れる病気の一つです。
けがのように目に見えて分かる障害の状態でなくても、対象となる可能性があります。
 
日本年金機構によると悪性新生物による障害認定基準は以下の通りです。

●1級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が「常に介護が必要な状態」と認められ、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
●2級:日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
●3級:身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

がんの症状の現れ方は人によって異なります。
自分の症状が障害年金の基準に当てはまるのかは、一度主治医に相談してみましょう。
 

がんになると障害年金を受け取れる可能性がある

障害年金は、けがや病気で日常生活に影響を受けている方が利用できる年金制度です。
基本的には障害認定日の段階で条件を満たしている方が利用できますが、あとで症状が重くなった場合も受け取れるケースがあります。
障害認定のあとに時間がたって症状が悪化した方も、障害年金を利用できないか確認しておきましょう。
 
また、がんも障害年金を受け取れる可能性のある病気の一つです。
症状の重さによって認定等級が変わるので、主治医に自分が利用可能かを確認しておきましょう。
 

出典

日本年金機構
 障害年金
 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(100ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー