「ジャケットの汚れが気になるけれど、クリーニング代が高い。自宅で洗うことはできないのだろうか。」と、クリーニング代を節約し、浮いた分を他の出費に回したいと考える人もいるかもしれません。   「ドライコース」などデリケートな衣類を洗濯できる機能を使って家庭でジャケットを洗濯した場合、どれくらい節約になるのでしょうか。   そこで今回は、自宅の洗濯機でジャケットを洗濯した場合と専門店にクリーニングを依頼した場合の費用の違いを試算します。

ドラム式洗濯乾燥機の「ドライコース」にかかるコスト

ドラム式洗濯乾燥機のドライコース(デリケートな素材の衣類を洗えるコース)を使用してジャケットを洗濯した場合、電気代・水道代そして洗剤代はどれくらいかかるのかをそれぞれ試算しました。
 

電気代

電気代の目安は、洗濯機の消費電力量と電気代の単価から以下の式を用いて算出します。
 
消費電力量(ワットアワー)÷ 1000 × 電気代単価(円)
 
一般的なドラム式洗濯乾燥機では、洗濯時の消費電力量は約65ワットアワーです。
 
電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会により「新電気料金目安単価」として示された単価から、31円/キロワットアワー(税込み)として計算します。上記2つの数値をあてはめて計算すると、洗濯1回にかかる電気代はおよそ2円となります。
 

水道代

一方、水道代はいくらかかるのでしょうか。
 
一般的なドラム式洗濯乾燥機のドライコースでは、標準使用水量が30リットルとされています。東京都の水道料金を基に1リットルあたり0.24円として計算すると、洗濯1回にかかる水道代はおよそ7.2円です。
 

洗剤代

ドライコース(クリーニングコース)で使用される「おしゃれ着洗剤」の価格を基に試算しました。
 
おしゃれ着洗剤が100ミリリットルあたり73円、ドライコース1回で使用する洗剤を40ミリリットルとして計算すると、洗濯1回にかかる洗剤代はおよそ29円です。水道代・電気代・洗剤代を合計すると、約38円となります。
 

ジャケットをクリーニングに出した場合の金額

ジャケットを専門店でクリーニングしてもらう場合、いくらくらいかかるのかを見てみましょう。ウールやツイードなどのジャケットを、特別な仕上げ方法ではなく一般的なドライクリーニングで洗濯した場合の相場を調べました。
 
ジャケットの素材やクリーニング方法、お店によって費用には幅がありますが、1000〜1800円くらいまでのところが多く、平均をとると約1300円でした。
 

自宅での洗濯とクリーニングだとどれくらい費用が変わるのか

自宅での洗濯とクリーニングの費用の違いを表1にまとめました。
 
表1

自宅で洗濯した場合 クリーニングに出した場合
1回の費用 38円 1300円
月に2回洗濯した場合の月額費用 76円 2600円

※筆者作成
 
しかし、どんなジャケットでも自宅で洗えるわけではありません。ジャケットの素材や形によっては、安易に自宅で洗濯することで、型崩れや縮みなどが起きてしまう可能性があります。
 
たとえば立体的に仕立てられた「テーラードジャケット」やウール、ツイードなど自然でデリケートな素材のジャケットの場合、細心の注意が必要です。
 
費用を節約するために自宅で洗濯した結果、ジャケットを台無しにしてしまい、結局高いお金を出して買い直すハメになったら元も子もありません。
 
自宅で洗えるかどうか心配な場合は購入したお店に問い合わせたり、近所のクリーニング店で相談したりして、プロの意見も聞きながら判断するようにしてください。
 

ジャケットを自宅で洗濯すれば、月に2500円節約できる可能性がある

ジャケットを自宅の洗濯機で洗った場合、1回にかかる金額は約38円です。一方、専門店でドライクリーニングを依頼した場合は約1300円かかります。
 
仮に月に2回ジャケットを洗うと考えると、2500円以上節約できる可能性があります。この数値だけ見ると、ジャケットの洗濯は自宅で行ったほうがお得ということになりますが、ジャケットの素材や形などを見極めて判断するようにしましょう。
 

出典

東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー