パートやアルバイトの時給は、都道府県ごとに決められている最低賃金以上の額である必要があります。2023年10月より最低賃金の改定が実施されましたが、給料が上がるのはうれしい反面、扶養範囲内で働いている主婦(夫)にとっては、配偶者の社会保険や税金の扶養控除を受けられる範囲を超えたくないと考える人も多いでしょう。   本記事ではよくいわれる106万円、130万円の壁について詳しく解説します。

最低賃金を確認しよう

最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度額を定めた制度のことです。使用者は、労働者に対してその最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
 
最低賃金額より低い賃金で使用者と労働者が合意したとしても法律上は無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。また、最低賃金に満たない金額しか支払っていないと、差額を支払う必要があることに加え使用者は罰則を受けることになります。
 
都道府県内の職場で働くすべての労働者とその使用者に対して、地域別最低賃金が設定されており、毎年、都道府県ごとに改定されています。
 
例えば、2023年10月には、次のように最低賃金額が変更されました。

東京都:1113円(前年1072円から3.8%アップ)
神奈川県:1112円(前年1071円から3.8%アップ)
埼玉県:1028円(前年987円から4.2%アップ)

パートやアルバイトの給料がアップすることで、当初想定していた収入よりも増えるため、年収の壁を超えないか意識する必要が出てくるでしょう。年収の壁として特に気をつけたいのは、106万円と130万円です。
 

パートに関係する年収106万円の壁

106万円の壁とは、パートの主婦(夫)がその年収を超えると、パート先の社会保険(厚生年金や健康保険)に入らなければならなくなる収入基準のことです。
 
社会保険に加入する義務が発生するということは保険料を支払わなくてはならないということで、年収106万円を超えると年間16万円ほど社会保険料の負担が増えるため、手取りが減ることに注意が必要です。
 
なお、「106万円の壁」の適用には、次のような一定の要件があります。

●1週間あたりの労働時間が20時間以上
●雇用期間が継続して2ヶ月を超える見込みがある
●給与月額が8万8000円以上
●従業員101人以上の企業に勤めている

なお2024年10月以降は、従業員数101人以上から51人以上に改定される予定です。
 
これらをすべて満たしていると、106万円の壁が適用されることになります。ただしこの要件に該当しない場合でも、次の130万円の壁は必ず適用されてきます。
 

パートに関係する年収130万円の壁

130万円の壁とは、従業員数や週あたりの勤務時間に関係なくパート収入が年間130万円以上だと、社会保険への加入義務が発生し配偶者の扶養からはずれることを指します。
 
いままでは保険料の負担なしで社会保険に加入していたのが、自分で社会保険に入る必要が出てくるため、手取りにも影響することになります。年収130万円の場合、保険料は年間20万円ほどになるため、手取りは約110万円となります。
 
ただ、手取りが減るというのはデメリットですが、年金や健康保険の保障を手厚くできるというメリットもあるため、悪いことばかりではありません。
 

まとめ

配偶者の扶養の範囲内で働いている場合、社会保険料の負担が発生しないため、うまく年収を調整して106万円や130万円以下に抑えている人も多いでしょう。しかし最低賃金の改定により賃金がアップすることで、自身の給与も上がってしまい年収の壁を超えてしまう可能性があります。
 
毎年の最低賃金額を考慮しつつ手取り収入を重視するなら、年収の壁を超えないよう意識することが大切です。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー