本日7月6日は「サラダ記念日」です。歌人、俵万智(たわら・まち)さんの有名な一首で、国語の教科書にも載っていることから目にしたことがある人も多いでしょう。人生で初めて触れた短歌という人も多いかもしれません。

今日はサラダ記念日にちなみ、短歌の概要と注目されるサラダビジネスについて紹介します。

口語短歌の金字塔。280万部発行のベストセラー

『サラダ記念日』は俵万智さんが1987年に刊行した歌集です。現代的な口語調の短歌が人気を博し、歌集としては異例の280万部を超えるベストセラーとなりました。

短歌は「五・七・五・七・七」の31音で構成される詩です。日本人にとってリズムが心地よく、つい口ずさみたくなるような気持ちになりますね。「五・七・五」で表現する俳句は格式高い印象も受けますが、「七・七」と続くことで読み手に柔らかい印象を与えるのかもしれません。

俵万智さんの有名な一首は、実は30首の短歌を重ねた「サラダ記念日」という連作の一部であり、他の29首も含めて1つの作品になっています。気になる人はぜひ歌集を買ってみてください。風景をそのまま切り出したようなみずみずしい作品や、ユーモアあふれる歌が多数収録されています。皆さんも短歌の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

サラダはおいしいビジネス?

ところで、最近サラダを購入する人が増えているようです。近年は中食(※)の市場規模が拡大しており、2017年には初めて市場規模が10兆円を突破しました。それに伴いサラダの購入も増加しており、2020年の1人あたり購入金額は1985年のおよそ2.9倍にまで上昇しています。同じ期間で家庭での生鮮野菜の購入額は減少しました。野菜を摂取する方法として、すぐに食べられるサラダの方が選ばれているのかもしれません。

※中食(なかしょく):スーパーやコンビニなどで総菜・弁当などの調理済み食品を購入し、家庭で食事すること、またはその食品。

【生鮮野菜とサラダの1人あたり購入金額(1985年=100とした場合)】

出所:農林水産省 加工・業務用野菜をめぐる状況(令和3年4月)

別の調査でもサラダの消費が増えている様子がうかがえます。キューピーと三菱商事が共同出資して設立したパッケージサラダ大手「サラダクラブ」は、毎年「サラダ白書」を公表しています。それによると、週に1回以上パッケージサラダを購入する人の割合は2021年に37.7%となり、2013年以降で最も大きな数値となりました。

【パッケージサラダを週に1回以上利用する人の割合】
・2017年:23.3%
・2018年:31.8%
・2019年:28.2%
・2020年:30.3%
・2021年:37.7%

出所:サラダクラブ サラダ白書2021

最近は1個1000円以上する高価格帯サラダも珍しくなくなりました。健康志向の高まりやライフスタイルの変化を考えると、サラダビジネスの成長余地は大きいかもしれません。

【キューピーの業績】

※2022年11月期(予想)は同第1四半期時点における同社の予想

【三菱商事の業績】

※2023年3月期(予想)は2022年3月期時点における同社の予想(売上高の開示なし)

お肉も野菜で! 注目の「大豆ミート」

最近は多くの食品メーカーが代替肉に参入しています。代替肉とは一般に、大豆などの植物由来の材料を使い、鶏・豚・牛といった従来の家畜肉に似せて作った食品のことです。

代替肉は菜食主義者向けの食品というイメージが強いですが、一般消費者にも浸透してきました。代替肉は原料に大豆が使われるケースが多く、従来の家畜肉よりも低脂質・高たんぱくな傾向にあり、健康に対する意識が高い層に支持されていると思われます。もちろん、各食品メーカーの努力によっておいしい大豆ミートが登場したことも理由にあるでしょう。皆さんもスーパーなどで見かける機会が増えているのではないでしょうか。

代替肉は食料危機の打開策としても期待されています。国連(WFP国連世界食糧計画)が公表した「食料危機に関するグローバル報告書(2022年)」によると、2021年の時点で1億9300万人が危機的あるいは深刻な急性食料不安にありました。これは過去最大だった2020年を約4000万人上回る数値です。

人口が今より増加すれば食料不足はより悪化するかもしれません。国連は「世界人口推計(2019年版)」で、世界の人口は2050年にほぼ100億人に達すると指摘しました(2019年:約77億人)。その後ペースは鈍化するも、2100年までは人口が増え続けると考えられています。

【世界人口の予測】
・2030年:85億4848.7万人
・2050年:97億3503.4万人
・2100年:108億7490.2万人
(参考)2019年:77億1346.8万人

出所:国際連合 経済社会局 世界人口推計2019年版

畜産は一般に生育期間が長く、供給には限界があります。代替肉が普及すれば不足する食料をカバーできるかもしれません。また、培養肉(※)の研究も進んでおり、実用化されれば食料危機解決の一助となるでしょう。

※培養肉:牛などの動物から取り出した細胞を、動物の体外で増殖させ作られる食肉のこと。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。