1996年から、10月4日は毎年「証券投資の日」とされています。「10(とう)」「4(し)」の語呂合わせから、証券投資に興味を持ってもらうため日本証券業協会が定めました。

今日は証券投資の日にちなみ、「証券投資の魅力」と「投資でどれくらいの利益が期待できるか」を解説します。また、注目を集める「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ)」についても押さえましょう。

証券投資の魅力とは

証券投資とは、「株式」や「債券」といった有価証券に投資をすることです。また、株式などの資産に間接的に投資する「投資信託」も、証券投資の1つに数えられます。

証券投資の魅力は手軽に資産運用できるところでしょう。不動産や金のように実物の資産を直接管理する必要がなく、パソコンやスマートフォンがあればすぐに始められます。主要なネット証券やスマホ証券を中心に、100円といった少額で投資できるサービスも増えてきました。

また税制も比較的有利です。分離課税のため、本業の所得にかかわらず一律20%(復興特別所得税がかかる2037年までは20.315%)の税率で課税関係が終了するほか、源泉徴収される特定口座(※)を選べば確定申告の必要もありません。

※特定口座:金融機関が税制上の損益計算を行う口座。源泉徴収の有無を選択でき、源泉徴収する口座は原則として確定申告の必要がない。

証券投資以外にも魅力的な資産運用はあります。しかし、手軽さや有利な税制を考えると、証券投資が有望な選択肢であることは間違いないでしょう。

投資ってどれくらいもうかるの?

投資と聞いて、多くの人が興味を持つのは「どれくらいの利益を得られるか」ではないでしょうか。公的なデータを参考にしてみましょう。

日本の年金積立金を運用するGPIFは、国内外の株式と債券について、期待されるリターンをそれぞれ以下のように推計しています。例えば「国内株式」は年率5.6%のリターンが期待できるとしており、仮に100万円投資すれば1年で5.6万円、10年複利運用すれば約72.4万円の利益を得られる計算です。

【GPIFが前提としている各資産の期待リターン】

出所:GPIF 基本ポートフォリオの変更について

実績のリターンはどうだったのでしょうか。金融庁によると、各資産に投資する投資信託の5年平均リターン(2021年末時点)は以下のようになりました。GPIFの期待リターンと比べると、株式は大きなリターンを残し、反対に債券は小さなリターンとなっています。2021年末までの5年間は、債券よりも株式の方が優位に推移したようです。

【分類別、投資信託の5年平均リターン(2021年末時点)】

(参考)全体:6.5%(3819本)
※運用期間5年間以上の投資信託(ETF、マネープールを除く)が対象。()は対象本数
※1.先進国債券は投資適格債に投資する投資信託

出所:金融庁 「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析」の公表について

これらの推計値や実績値を見ると、投資では預貯金にない大きな利益を得られる可能性があるといえそうです。もちろんリスクもあるため、投資で必ず利益を得られるわけではない点には留意してください。

投資を始めるなら検討したい「NISA」と「iDeCo」

せっかく投資をするなら非課税制度を利用しましょう。運用益に税金がかからないため、より効率的に資産運用できます。証券投資では「一般NISA」と「つみたてNISA」、「iDeCo」の3つが代表的な非課税制度です。

※1.金融庁に届け出のある一定の投資信託に限る
※2.国民年金の任意加入者や、会社員として働き続ける場合などは65歳まで
※3.そもそも課税されない

2つのNISAはいつでも解約できますが、iDeCoは原則60歳になるまで資金を引き出すことができません。その代わり、拠出した全額が所得控除となるため、給与などの手取りを増やす効果に期待できます。また、将来iDeCoに積み立てた資金を受け取るときも、控除で税金を抑えながら引き出すことが可能です。

もっとも、iDeCoにおける受取時の控除は、つみたてNISAと比べるとあまり魅力的とはいえないかもしれません。つみたてNISAは受け取るときにそもそも課税されないため、控除の必要がないからです。

一方、iDeCoは受け取るときに増えた分だけではなく、投資元本も含めて課税対象となります。確かに控除は受けられるものの、もともと自分のお金を引き出すことに対して課税されることに、どうしてもマッチポンプの感は否めません。

iDeCoを利用する際は、控除の仕組みをしっかり理解し、不利にならないようにしましょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。