結婚相談所にはさまざまな方がいらっしゃいます。入会をしてすぐに成婚される方もいれば、お見合いやデートを繰り返すもののNG理由を改善できず成婚まで時間がかかる方も。今回は、後者のようなタイプで失敗を繰り返してしまった40代女性の事例をお伝えします。

美人なのに婚活に連敗しているのはなぜ?

大森結子さんは埼玉県に住む45歳の元保育士です。長年園児を相手に力仕事をこなしてきたせいで腰を痛めてしまい、数カ月前に職場を退職しました。

その後、転職活動に取り組んでいましたが、「この年齢から未経験の職種では、満足できる年収になるまで時間がかかる。仕事に打ち込めば打ち込むほど、『結婚して家庭を築く』という夢が遠のいてしまうかもしれない……」という不安に襲われます。

そこで、転職活動を行いつつも同時に「結婚して家庭の中をサポートする選択肢も探ってみよう」と考えて、結婚相談所に入会しました。

結子さんは45歳ですが、一見そうは思えないほどの若さを誇る美人です。見た目も性格もピュアな印象で、来所された時に着ていたワンピース姿が本人の雰囲気にとてもよく合っていたのを覚えています。

当然、結婚相談所では男性からの人気も高く、次々とデートの申し込みが殺到しました。しかし、どういう訳か、なかなかお付き合いには至らず交際はゼロ件のまま。

筆者も「こんなにも美人なのにどうして?」と疑問に思ったものですが、デート後の本人の感想と男性側からのNG理由を見ているうちに、お付き合いに至らない「ある決定的な原因」が透けて見えてきました。

結子さんが交際ゼロ件に至った「残念すぎる理由」

結子さんは見た目も中身もピュアな方でしたが、中身がピュアというのは悪く言えば「精神的にも幼い」ということでもあります。それゆえ、婚活においては考え方や発言が他の女性に比べて「わがまま」に思われてしまいがちだったのです。

今までもお見合いの話はいくつかあったそうですが、すべて彼女のわがままが関係した理由でお付き合いにつながらないパターンを繰り返していました。

実際、結婚相談所でのお見合いでも彼女はことごとくNG行動をとってしまいます。

結子さんからお見合いを申し込んだ男性と会う日程が決まった時のこと。男性は東京在住だったので、お見合いの場所も東京を希望されました。ところが結子さんは埼玉在住で、その上極度な方向音痴。お見合い場所が東京になったことを伝えると(※)、「絶対に道に迷ってしまうので、1人で東京に行くのが怖い」と断ろうとしました。
※意外に知られていないことですが、結婚相談所ではお見合いを申し込んだ方が、相手の希望の場所に出向くのがルールです。

「せっかくお見合いのチャンスをつかんだのに、会う前から断ってしまうのはもったいない!」と私どもで何度も説得をしました。そうしてなんとか結子さんに東京まできてもらうことに成功。しかし本当に大変なのはここからだったのです。

お見合いの当日。待ち合わせの数分前に結子さんから1本の電話がスタッフに入ります。

「最寄りの駅に着いたけれど、この先はどうやって行けばいいの?」

自力で地図を見て目的地にたどり着こうという考えはないようです。この時点で待ち合わせまであと数分。もちろん迎えに行く時間もありません。まずはどうにか待ち合わせにたどり着いてもらいたいという気持ちで、スタッフが必死に電話口で道案内を行いました。

すると方向音痴の上に慣れない土地ですから、結子さんも焦り、いら立ったのでしょう。

「そんな風に言われても分からない。もう帰る!」

「全然たどり着けない、もういやだ!」

まるで子供のように駄々をこね始めました。

●結局、結子さんは待ち合わせ場所にたどり着けたのでしょうか? その後の周囲を驚かせた結子さんの振る舞いは、後編で詳説します。