福利厚生という単語にはなじみがありますが、「一体どこからどこまでが福利厚生なんだろう?」と疑問に思われたことはないでしょうか。今回は、知っているようで意外と知らない福利厚生の種類と企業の狙いについて解説します。

福利厚生は2種類ある

企業から提供される福利厚生は、大きく2種類に分けられます。それぞれの特徴と具体例を見ていきましょう。

①法定福利厚生

法定福利厚生とは、「企業が費用を負担して従業員に提供しなければならない」と法律が定めている福利厚生です。具体的には、社会保険料の一部または全部の負担(雇用保険、健康保険、介護保険、労災保険、厚生年金保険)、児童手当拠出金の納付が該当します。そのため、現在は日本のどの企業で働いても、何らかの福利厚生を受けられることになっています。

②法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、企業が独自で提供する福利厚生です。代表例は、住宅手当、通勤にかかる交通費、健康診断や人間ドックの受診料、退職金、確定給付企業年金(DB)、企業型確定拠出年金(企業型DC)など。そのほか、スポーツクラブの利用割引、飲み物飲み放題、オフィス内のマッサージ利用、無料の社員食堂などが提供される場合もあります。ほとんどの企業は法定福利厚生だけでなく、法定外福利厚生も提供しています。

<法定福利厚生と法定外福利厚生の例>

編集部作成

いまユニークな福利厚生を提供する企業が増えている理由

企業が福利厚生を提供する狙いは、給与以外の面で従業員の経済的支援をして、安心して長く働ける環境を作ることです。それによって、「採用力向上」「業務の生産性向上」「企業の社会的信頼性の向上」「従業員の健康維持」などのメリットを得ています。

最近では、企業の法定外福利厚生を入社の判断材料にする求職者も増えてきました。そのため、企業もこれまで以上に福利厚生の充実に力を入れるようになっています。中には、他社にはない珍しい福利厚生を提供することで、採用活動で注目度を高めたり、メディアから取材を受けたりと、広告効果を期待している企業もあるようです。

会社員の方が転職活動などで企業の福利厚生を確認する際には、内容のインパクトだけでなく、その制度が提供されるようになった経緯まで調べてみると、職場の雰囲気や働きやすさなどが想像しやすくなるでしょう。

ユニークな福利厚生にはどんなものがある?

ここでは、ユニークな福利厚生を提供する企業の取り組みについて、いくつか具体例を紹介します。

おひるねスペース GMO Siesta/GMOインターネットグループ株式会社

平日の12:30〜13:30の間、会議室をおひるねスペースとして開放することで、誰でも気軽にお昼寝ができる制度です。同社ではクリエイティブな発想を生み出す助けとなるように20分程度の昼寝を推奨しています。
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外部カウンセリング・コーチング支援/Chatwork株式会社

セルフケアの目的で、指定のカウンセリング・コーチングサービスが利用できる制度です。外部のサービスの利用を支援することによって、従業員の相談が社内に漏れないよう配慮されています。
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Know Me(ノーミー)/Sansan株式会社

過去に一緒に飲んだことがない他部署の社員との3人の飲み会に対して、会社から1人あたり3000円の補助が受けられる制度です。お酒が飲めない人も利用できます。覚えやすさとキャッチ―さを意識した制度名で、「飲み」「Know Me」(私を知る)というワードが由来となっています。
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ジムdeリフ/株式会社Wiz

運動ができる専用施設やスクールに月4回以上通うと、会社から補助金が支給される制度です。同社では社会人の運動不足を課題と捉え、「少しでも運動する人が増えたら」という思いから制度が作られました。
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親孝行支援制度/大和ハウス工業株式会社

介護を行う従業員を支援する制度です。遠方で暮らす要介護の親元に帰省する際の交通費に対して、補助金を年4回まで支給しています。帰省距離に応じた補助金(1回あたり1.5万円から5.5万円)を給付することで、社員の経済的負担軽減を図っています。
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これまで福利厚生をあまり気にしてこなかったという方は、ぜひこの機会に自身の職場の制度を確認してみてください。「うちの職場、意外と良い福利厚生がある!」と気付くことができれば、長く働く上でのモチベーションになりますし、経済的な負担の軽減にもつながるかもしれません。また、もし今後転職を検討しているのであれば、福利厚生を通して働きやすさを探ってみるのも有効な手段となるでしょう。