日経平均は5日ぶり反発、米中懸念和らぐも結果見極めたいところ

 日経平均は5日ぶり反発。143.59円高の21545.72円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えている。

 9日の米株式市場ではNYダウが一時450ドル近く下落。貿易問題を巡る米中対立への懸念からアジア・欧州株がほぼ全面安となり、米国株も売りが先行した。ただ、9日からの閣僚級協議を前に中国の習近平国家主席がトランプ大統領に書簡を送ったことが明らかになると下げ幅を縮め、138ドル安で取引を終えた。為替市場でも円高進行が一服し、本日の日経平均は29円高でスタート。朝方は小高い水準でのもみ合いが続き、マイナスに転じる場面もあった。しかし、前場中ごろを過ぎると中国株の急反発を追い風に上げ幅を広げ、前引けにかけ一時21584.09円(181.96円高)まで上昇した。東証1部の値上がり銘柄は全体の8割ほど、対して値下がり銘柄は1割強となっている。

 個別では、ファーストリテ<9983>、ソフトバンク<9434>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、ZOZO<3092>などが堅調。武田薬<4502>はノンコア事業の譲渡を評価した買いが入っているとみられ、4%超上昇した。SUMCO<3436>など半導体関連株や安川電<6506>など設備投資関連株の一角でも上げが目立つ。決算発表銘柄ではダイキン<6367>が4%高。また日ユニシス<8056>やケーズHD<8282>が急伸し、ニホンフラッシュ<7820>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、ソフトバンクG<9984>は好決算ながら伸び悩み反落。三菱商<8058>は5%近く下落したが、前日の取引時間中に発表された決算や千代化建<6366>の再建支援を巡る不透明感がネガティブ視されたようだ。また業績下方修正の東海カーボ<5301>が急落し、昭電工<4004>などにも売りが波及した。セクターでは、医薬品、機械、石油・石炭製品などが上昇率上位。反面、食料品、精密機器など5業種が下落した。

 習氏がトランプ氏に書簡を送ったことが明らかになり、トランプ氏も習氏と電話で協議する可能性を示唆したため、米中摩擦激化への過度な懸念が和らいでいる。中国・上海総合指数が朝方に一時2%を超える上昇となったことが追い風となり、日経平均も3ケタの上昇で前場を折り返した。日経平均はゴールデンウィークの連休明け3日間で計856円下落しており、空売り比率(東証)も前日時点で47%まで上昇していたため、売り方の買い戻しも出やすいところだろう。

 とはいえ、トランプ氏が連休中、唐突に対中関税引き上げを表明したことを踏まえると、本日まで行われる米中閣僚級協議の結果を見極めたいとの思惑が強まりそうだ。日本時間の本日13時01分(米東部時間10日0時01分)には2000億ドル(約22兆円)分の中国製品への制裁関税発動が予定されており、後場の相場のかく乱要因となる可能性がある。上海総合指数も朝方の買いが一巡すると伸び悩んでおり、後場の日経平均は目先の利益を確定する売りが出て上値の重い展開となることを想定しておきたい。
(小林大純)

(12時10分作成)


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