日経平均は3日ぶり反発、前場買い戻し優勢も後場に警戒感

 日経平均は3日ぶり反発。164.16円高の23305.71円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。

 14日の米株式市場でNYダウは6日ぶりに小幅反落し、1ドル安となった。米中貿易協議への楽観的な見方が後退したほか、IT大手シスコシステムズの決算が嫌気された。主要株式指数が過去最高値圏にあり、過熱警戒感も売りにつながったとみられている。為替相場は米長期金利の低下とともに一時1ドル=108.20円台まで円高方向に振れ、本日の日経平均は18円高からスタートすると、朝方にはマイナスへ転じる場面があった。しかし、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が米中協議の合意について「近づいている」と述べたと伝わり、円相場が伸び悩んだこともあって、その後の日経平均は先物買い主導で一時23337.12円(195.57円高)まで上昇した。東証1部の値上がり銘柄は全体の8割強、対して値下がり銘柄は1割強となっている。

 個別では、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、武田薬<4502>などが堅調。アドバンテスや東エレクといった半導体関連株は、米半導体製造装置大手の決算内容が好感されたようだ。トヨタ自<7203>やファーストリテ<9983>は小じっかり。決算発表銘柄では日本郵政<6178>とすかいらーく<3197>が4%超上昇し、キュービーネットHD<6571>などは急伸。また、三桜工<6584>が東証1部上昇率トップで、LINK&M<2170>はストップ高水準で前場を折り返した。一方、LINE<3938>とZHD<4689>が揃って急反落。経営統合に向けた不透明要因もあり、利益確定の売りが出たようだ。ソフトバンクG<9984>は小幅に下落し、任天堂<7974>などは軟調。業績下方修正や期末の無配転落が嫌気されたペッパー<3053>は急落し、スプリックス<7030>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、水産・農林業、パルプ・紙、倉庫・運輸関連業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのは鉱業と石油・石炭製品の2業種のみだった。

 前日のNYダウが終値で1ドル安となり、本日の日経平均についても米中協議の進展待ちなどから小動きを予想する向きが多かった。しかし、前場の日経平均は一時200円近く上昇するなど想定以上に強い動き。直近2日で380円近く下落していたため、買い戻しが入ったことなどが想定される。米中協議を巡ってはポジティブ、ネガティブなニュースが交錯しているが、両国が何らかの合意に至るとの期待は根強い。週末に加え、今晩の米国で10月の小売売上高や鉱工業生産指数といった経済指標の発表が控えていることも買い戻しを誘っている可能性がある。足元では米経済の堅調ぶりが金融市場の安心感につながっている。

 ただ、ここ数日は後場に入ると海外投資家とみられる先物の売買などで大きく振らされる場面が目立つ点には注意しておきたい。日経平均先物の手口を見ると、13日はシテ
ィグループ証券、14日はJPモルガン証券が売り越しトップだった。一昨日の当欄で指摘したとおり、直近で市場の楽観ムードが非常に強まっていただけに、株価変動率(ボラティリティー)がやや高まってきた印象なのも気掛かり。株式相場全体の方向感は慎重に見極めたい。前日までに7-9月期の決算発表がほぼ出揃ったため、個別に好業績銘柄を買い直す動きなどが有望と考えられる。
(小林大純)


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