日経平均は続伸。61.19円高の23361.28円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。

 5日の米株式市場でNYダウは続伸し、28ドル高となった。11月30日までの1週間の新規失業保険申請件数が予想より減少し、10月の製造業受注が増加に転じたことなどは好感されたものの、米中貿易協議の動向を見極めたいとの思惑からもみ合う展開となった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで47円高と小高くスタートすると、米中協議の進展や政府による経済対策への期待を背景に一時23412.48円(112.39円高)まで上昇。ただ、一段と上値を追う動きは乏しく、買いが一巡すると伸び悩んだ。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強、対して値下がり銘柄は4割強となっている。

 個別では、エーザイ<4523>が7%高と急伸。認知症治療薬の試験データが好材料視された。また、村田製<6981>や太陽誘電<6976>などの電子部品株、コマツ<6301>などの建設機械株の堅調ぶりが目立つ。ソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>といった日経平均寄与度の大きい値がさ株は小じっかり。中小型株では業績上方修正を発表したノーリツ<5943>、好決算のラクーンHD<3031>などが大きく買われ、木村化工<6378>が東証1部上昇率トップとなった。一方、任天堂<7974>、ソニー<6758>、トヨタ自<7203>などはさえない。ブリヂス<5108>は外資系証券の格下げ観測があり軟調。ニチコン<6996>は転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を発表したが、潜在的な株式価値の希薄化懸念から東証1部下落率トップとなった。セクターでは、鉄鋼、建設業、証券などが上昇率上位。反面、ゴム製品、パルプ・紙、水産・農林業などが下落率上位だった。

 前場の日経平均は小高くスタートすると、上げ幅を3ケタに広げる場面があった。政府が5日、事業規模26兆円となる経済対策を閣議決定したことに加え、オブライエン米大統領補佐官が中国との通商協議は「第1段階」の合意に近いと述べたことが株式相場の支援材料として意識されたようだ。ただ、買いが一巡すると伸び悩んでいる。前引け時点でエーザイとファーストリテの2銘柄が日経平均を約34円押し上げており、東証株価指数(TOPIX)は小幅ながらマイナスで前場を折り返した。相場全体の地合いは良好と言いづらい。ここまでの東証1部売買代金はおよそ8500億円にとどまっており、引き続き盛り上がりに欠く。

 アジア市場に目を向けると、香港ハンセン指数や韓国の総合株価指数(KOSPI)がしっかりといったところだが、中国の上海総合指数は伸び悩み。為替市場では円相場が下げ渋りとなっており、強弱混在で決め手に欠く。米中協議の行方に不透明感が残るうえ、今晩の米国では11月雇用統計の発表が予定されている。個別材料株の物色こそ散見されるが、後場に入ると週末を前に模様眺めムードが強まり、日経平均は小高い水準でのもみ合いになるとみておきたい。
(小林大純)