日経平均は続伸。240.63円高の28574.15円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。

 17日の米株式市場はキング牧師誕生日の祝日で休場だった。ただ、欧州の主要株式指数は揃って上昇し、本日の日経平均はこうした流れを引き継いで117円高からスタート。足元の新型コロナウイルス感染者数の増加を受けて政府が11都県に「まん延防止等重点措置」を適用する方針と報じられる一方、感染拡大がピークアウトに向かうと期待する声も出ており、前場の日経平均は28598.21円(264.69円高)まで上昇する場面があった。

 個別では、売買代金トップのレーザーテック<6920>が4%超の上昇。ファーストリテ<9983>は3%超上昇し、日経平均の押し上げ役となっている。その他売買代金上位もトヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、商船三井<9104>など全般堅調で、ベイカレント<6532>は引き続き決算を好感した買いが優勢。増配を発表したリソー教育<4714>などは急伸し、業績上方修正のシュッピン<3179>は東証1部上昇率トップとなっている。一方、日本製鉄<5401>とJFE<5411>が揃って5%超の下落。年明けからの上昇ピッチが速かった鉄鋼株には利益確定売りが出ているようだ。また、デンソー<6902>から燃料ポンプ事業を買収すると発表した愛三工<7283>が急落し、フィルカンパニー<3267>や鉄鋼株とともに東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、鉱業、サービス業、精密機器などが上昇率上位。一方、鉄鋼、ゴム製品、パルプ・紙などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の56%、対して値下がり銘柄は38%となっている。

 前場の日経平均は欧州株高や新型コロナ感染ピークアウトへの期待などから堅調な展開となった。日足チャートを見ると、28400円台に位置する5日移動平均線を上回り、28600円台に位置する25日移動平均線に迫る動き。14日に一時28000円を割り込んだところからやや値を戻してきており、短期的なトレンド好転を意識した買いが入っている可能性もあるだろう。個別株では、トヨタ自が連日で取引時間中の上場来高値(株式分割考慮)を更新し、初めて時価総額40兆円に達したことが話題となっている。その他景気敏感株の一角もまずまず堅調だが、値がさグロース(成長)株のリバーサル(株価の反転上昇)の様相が強い。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりと、前日の米休場もあってやや低調だ。

 新興市場ではマザーズ指数が+2.41%と4日ぶりに大幅反発。ここ3日の下げ幅が70ptあまりとかなり大きく、グロース株のリバーサルの流れに乗って主力IT株はおおむね堅調だ。売買代金上位では、前日ストップ高のEnjin<7370>が大幅続伸し、外資系証券の投資判断引き上げが観測されたビジョナル<4194>は急反発している。

 さて、前日の米市場は休場だったが、日本時間18日朝の取引で米10年物国債利回りは一時1.8%台に上昇した。また、米2年物国債利回りは2020年2月末以来の1%台乗せとなった。東京市場のグロース株高を見るとわかりづらいが、引き続き米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが強く意識されているようだ。

 こうしたなか、本日まで開催される日銀金融政策決定会合への注目度も高まっている。世界的にインフレ圧力が高まるなか、事前に「日銀がインフレ目標2%を達成する前に利上げ開始できるか議論している」などと報じられたためだ。今回の会合では政策の現状維持が決まるとみられているが、公表文や黒田東彦総裁の会見内容から経済・物価の見通しや金融政策の行方を見極めたいとの思惑が強い。

 日米ともリベラル色の強い政権となり、インフレへの不満に目配りする姿勢を示すことで金融政策にも影響が出てくるとの見方がある。実際、11月に中間選挙が控える米国では、パウエル議長の再任指名と前後してFRBが「インフレファイター」へと変貌を遂げた。また、当欄で度々指摘しているとおり、日銀は2023年4月に黒田総裁の任期満了が控えており、市場では「黒田緩和の出口」を意識する向きも出てきている。

 本稿執筆時点では確認できないが、後場は日銀決定会合結果を受けて相場展開が大きく変わる可能性もあるだろう。また、海外では1月のドイツZEW(欧州経済研究センター)景況感指数、米NY連銀製造業景気指数、それに米ゴールドマン・サックス決算などが発表される。NY連銀製造業景気指数では足元のサプライチェーン(供給網)混乱の影響が注目されており、引き続き外部環境を注視しておきたい。
(小林大純)