新型コロナの新たな変異株、オミクロン株感染拡大を受けて、欧米など渡航制限に踏み切った。デルタ変異株の拡大で欧州のいくつかの諸国はすでにロックダウン入りしている。新たな脅威は世界経済の活動再開を遅らせ、回復にさらなる不透明感に繋がる。



米国では労働市場を含め景気回復が想定以上に進む一方で、高インフレの長期化、インフレの上方リスクの上昇で、連邦準備制度理事会(FRB)は12月連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和縮小ペース加速を発表するとの思惑も浮上していた。特にハト派として知られるサンフランシスコ連銀のデイリー総裁も、雇用統計やCPI次第でこの会合でQE縮小加速を支持する可能性を示すと、思惑がさらに強まりドル買いに繋がった。しかし、ここにきて、オミクロン株による回復への影響が懸念され、12月FOMCでの決定は見送られるとの見方が強まりつつある。



シナリオとしては3つ挙げられる。まず、1)基本シナリオとしては、FRBが資産購入縮小を現状のペースで進め、夏に利上げを可能にする。2)経済が思ったより強まった場合、最善のシナリオとして、FRBは資産購入縮小ペースを加速、5月の利上げも可能になる。最後に3)最悪のシナリオでは、回復が想定外に滞り、FRBが資産購入縮小を停止することが挙げられる。



現状では基本シナリオが主流。米金利先物市場では7割近く織り込まれていた5月の利上げ確率は4割近くまで低下。同時にドル買いも後退している。



今週予定されている上下議会証言でのパウエル議長の発言に注目が集まる。



●基本シナリオ

FRBが資産購入縮小を現状のペースで進め、夏に利上げを可能に



●最善のシナリオ

FRBが資産購入縮小ペースを加速、5月の利上げも可能に



●最悪のシナリオ

FRBが資産購入縮小を停止