国内株式市場見通し:底堅さを意識した展開へ

■日経平均は上昇も円高を警戒視



前週の日経平均は上昇した。NYダウの連騰がリードする形で週間ベースでは3週連続高となった。週初17日の日経平均は、14日のNYダウが小反落したことを受けて小安く始まったものの、為替の円安基調と香港株の上昇を受けて小幅ながらプラスゾーンに引き戻した。個別では米ファンドの株式取得を材料視したソニー<6758>が売買代金トップで2%超の上昇をみた。ただし、全般は買い手掛かり難で東証1部の出来高は5月27日以来の10億株割れとなり、TOPIXは反落した。18日の日経平均は3営業日ぶりに反落し終値ベースでは6月7日以来となる21000円割れに沈んだ。NYダウが小幅高だった流れを受けて前場はプラスゾーンがあったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に買いが手控えられる中、1ドル=108円台前半となる円相場の上昇を受けた売りに押され、後場に入り下げ幅を広げた。しかし、19日の日経平均は一転して大幅高となり21000円台を回復した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加の金融緩和の可能性に言及し、欧州株が全面高となったほか、トランプ大統領と習国家主席の電話会談で、28日から開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談が開催される運びとなったことを好感してNYダウも大幅上昇したことがプラスに働いた。個別では、定時株主総会における孫社長の発言が好材料視されたソフトバンクG<9984>が売買代金トップで4%高となった。19日のNYダウの小幅高を受けた20日の日経平均も続伸した。注目されたFOMCでは、政策金利が据え置かれるなか、当局者の約半数が利下げを支持し、米国での利下げ期待が高まったことが好感された。中国・上海総合指数も上げ幅を拡大したことで、先物の上昇がリードする形となった。20日にNYダウが4連騰し4月の年初来高値を、S&P500指数は最高値をそれぞれ更新したことから21日の日経平均はプラスの場面があったものの、1ドル=107円台割れに迫る円高が重しとなって3日ぶりに反落した。イランによる米ドローン撃墜を受けて米国の軍事行動への警戒感が強まったほか、20日までの続伸で日経平均の上げ幅は490.15円となっていたことから、目先の利益確定売りの動きも先行し後場は一段安となった。



■配当金の再投資効果が期待材料



今週の日経平均は底堅さを試す展開が見込まれる。円相場は1ドル=107円台前半と年初の円高水準に達している。中東の地政学リスクの高まりに加え、米長期金利が再び2%割れを窺う展開となり日米金利差縮小を嫌った円高進行が、前週末の株式市場に冷水を浴びせた格好だ。為替の円高は日本の企業業績に直接的に影響してくるため、一段の円高進行は引き続き東京市場のネガティブ材料として働いてくることが予想される。ただし、注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、金融政策について「景気を維持するため適切に行動する」との文言が盛り込まれたことはプラス材料だ。早期利下げへの期待感からNYダウは年初来高値の水準に切り返し、昨年10月につけた26951.81ドルの最高値を意識しはじめている。こうした、NY市場の上昇と20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳が会談するスケジュールにあることは、日経平均の下値不安を後退させている。また、株主総会の集中シーズンは堅調に推移するという過去の経験則もあながち軽視できない。需給的にも、3月期決算企業の配当金支払いのピーク期間に入り、19日から28日にかけては約4.7兆円が支払われる見込みだ。この配当金の再投資効果も期待される。



■5銘柄がIPO



物色的には買い戻しに弾みがついている東京エレクトロン<8035>などの半導体関連、国際石油開発帝石<1605>や大手商社の資源関連の戻り継続が期待される。また、マザーズに19日IPOしたSansan<4443>が上値追いを継続させたほか、21日IPOのブランディングテクノロジー<7067>は買い気配のまま初値持ち越しとなった。局地的ながらも個別銘柄物色も続くことが見込まれる。今週は5銘柄のIPOが予定されているほか、7月下旬に上場予定の銘柄発表もあると見込まれ、物色意欲を刺激してきそうだ。



■G20、株主総会、米5月個人所得



今週の主な国内経済関連スケジュールは、25日に4月24-25日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、5月企業向けサービス価格指数、27日に5月商業動態統計、株主総会集中日、28日に5月失業率・有効求人倍率、5月鉱工業生産、6月19-20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、G20大阪サミット(29日まで)が予定されている。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、24日に米5月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米4月FHFA住宅価格指数、米4月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米5月新築住宅販売件数、米6月CB消費者信頼感指数、26日に米5月耐久財受注、27日に米1-3月期GDP確報値、米5月中古住宅販売仮契約、28日に米5月個人所得・個人支出の発表が予定されている。このほかのトピックスとしては、26日に米民主党、大統領選候補者の最初のテレビ討論会(27日まで)がある。


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