今週の新興市場では、マザーズ指数が5週連続、かつ大幅な下落を強いられた。1月27日には終値ベースでコロナショック直後の2020年4月22日以来の安値を付け、下落に歯止めのかかる兆しは見られない。25〜26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を挟んで神経質な展開となることが想定されたが、FOMC後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受け、米金融引き締めへの懸念が一段と強まった格好だ。新興株は金利上昇の逆風に個人投資家の損失覚悟の売りも相まって大きく値を下げた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.9%であったのに対して、マザーズ指数は-10.1%、日経ジャスダック平均は-2.6%だった。



個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で14.6%安、フリー<4478>が同11.1%安と大幅に下落。売買代金上位ではGreen Earth Institute<9212>やFRONTEO<2158>に売りが広がった。新興企業でも決算発表が始まったが、マクアケ<4479>が第1四半期の大幅減益を受けてストップ安を交えつつ急落し、週間でもマザーズ下落率トップ。これにより警戒感が一段と強まったか、弁護士ドットコム<6027>は決算発表直前に大きく売り込まれた。一方、ビジョナル<4194>は同1.4%高と底堅く推移。直近上場のHYUGA PRIMARY CARE<7133>は上昇率トップとなった。ジャスダック主力でもハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.0%安、ワークマン<7564>が同2.7%安と軟調。東映アニメーション<4816>は業績上方修正にもかかわらず売りに押され、同3.3%安となった。売買代金上位ではフェローテックHD<6890>が大幅に下落。また、グローム・HD<8938>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、日本マクドナルドHD<2702>は同0.2%高とほぼ横ばい。田中化学研究所<4080>はEV(電気自動車)拡大への期待が根強く、大きくリバウンドした。



来週の新興市場では、繰り返しとなるが不安定な相場展開が続くとみておいた方がよいだろう。今週末1月28日は日経平均が500円超上昇したが、マザーズ指数の反発は小幅なものにとどまった。さすがに新興株を巡る環境の悪さが意識されつつあり、投資損益の悪化に伴う資金余力の低下もあって、買いが鈍ってきた印象だ。しかし、信用買い残の水準は全般になお高止まりしており、株式需給の面で最悪期を脱したとは言えない。未曽有の金融緩和のもと、世界的にレバレッジを拡大させてきた反動は大きいだろうと改めて強調しておきたい。



来週は、1月31日にセリア<2782>、ニッポン高度紙工業<3891>、2月3日にメルカリ、4日に東洋合成工業<4970>などが決算発表を予定している。メルカリはネットショップ開設支援サービスの本格提供開始などで流通総額の拡大に弾みが付くか注目したい。ただ、今週の弁護士コムを見ると、好決算でも株価反応には不安がある。



IPO関連では、2月3日にRecovery International<9214>がマザーズへ、4日にセイファート<9213>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。2022年最初のIPOとなるRecoveryは公開規模20億円弱だが、それでも新興株の不振から需給懸念が意識されているようだ。なお、今週はイメージ・マジック<7793>(3月3日、マザーズ)など2社の新規上場が発表されている。