■株式相場見通し



予想レンジ:上限27300円-下限26000円





来週の日経平均はもみ合いか。高いボラティリティー(変動率)が続いている米株市場の動きに合わせて神経質な動きが続きそうだ。





ロックダウンの影響が続く中国だけでなく、堅調とされてきた米国でも景気後退懸念が強まっている。5月のミシガン大学消費者マインド指数が2011年8月以来の低水準を記録したほか、5月NY連銀景気指数は予想外のマイナス転換と大幅に悪化。5月フィラデルフィア連銀景気指数も前月分や予想値を大幅に下回った。住宅ローン金利や住宅価格が高騰するなか、住宅関係の指標も軒並み予想を下振れ、小売大手の決算もネガティブサプライズとなった。





こうしたなか、来週も米国では4月新築住宅販売や4月耐久財受注などの注目度の高い指標のほか、小売でベスト・バイやダラー・ゼネラル、ハイテクでは半導体大手のエヌビディアなど、市場への影響力が大きい決算発表が予定されている。





足元の米株市場は流動性が乏しくなっており、商いが薄い。参戦している投資家の多くが短期筋と思われ、目立った材料でなくても高いボラティリティーが生まれやすい状況となっている。3月半ばに見られたような急激なリバウンドもほとんど生じる兆しがない。急落後の自律反発も空しく、小幅な反発を挟んだ後に再び急落するような展開が続いている。それでも出来高が伴っていないため、底値到達を示唆するセリング・クライマックスにもほど遠い状況だ。





投資家の現金比率が高まり、センチメントも悲観に傾いた状態が続いているため、きっかけ次第で強いリバウンドに転じる可能性もあるが、足元では買いに転じられるような材料が見られず、反発は格好の逃げ場と捉えられてしまっている。相場の強気派と弱気派の間における一番の前提の違いはインフレに対する見方で、両者の雌雄を決するには少なくともあと2、3カ月分の物価・景気指標を確認する必要がある。このため、当面は高いボラティリティーが続こう。参戦する投資家は長期目線に徹するか、下がったら買い、上がったところでは即座に売却といった機敏な対応を求められよう。





日本時間26日には5月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。これを前に市場がより神経質になる可能性もあるが、直近のFRB高官らの発言などで、少なくとも今後2会合の利上げ幅や6月から開始される量的引き締め(QT)のペースはすでに明らかになっている。そのため、議事録公表が波乱を呼ぶ可能性は低いとみている。





不安定な相場環境だが、1-3月期に大幅な赤字を叩き出したソフトバンクグループ<9984>は本決算発表後にあく抜け感から急伸し、先週も相場が乱高下するなか、堅調な値動きを見せていたことは目を引く。相場の弱さを象徴するような存在だった同社株の底打ち感を意識させるような動きをみると、全体の下値余地も大きくないと思われる。今はまだ慌てて買いに転じる場面ではないが、焦って投げ売るような状況でもないと捉えておいた方がよさそうだ。





■為替市場見通し





来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融正常化の方針を維持している。パウエルFRB議長はインフレ抑止を確認できるまで利上げを続ける考えを伝えており、6月と7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の2会合で政策金利を0.50ポイントずつ引き上げるとみられている。しかしながら、過度な金融引き締めによって米国経済は大幅に減速し、景気後退に陥る可能性も浮上している。景気悪化を警戒して米国株式が一段安となった場合、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性があろう。





今後発表される経済指標が市場予想を上回った場合、FRBは金融引き締めを加速させる可能性があるため、来週発表される4月PCEコア価格指数や1-3月期国内総生産(改定値)が注目材料となる。ただ、足元の米経済指標は強弱まちまち。5月NY連銀製造業景気指数は予想外のマイナス、4月小売売上高は市場予想と一致したが、金利高の影響により住宅関連指標は悪化している。日米金利差拡大の思惑は消えないものの、来週発表の経済指標が市場予想を下回った場合、米長期金利は伸び悩み、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性がある。





■来週の注目スケジュール



5月23日(月):日・首都圏新築分譲マンション(4月)、日米首脳会談、独・IFO企業景況感指数(5月)、米・アトランタ連銀総裁が講演、スイス・世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開催(22-26日)など

5月24日(火):日・欧・米・製造業/サービス業PMI(5月)、日・全国百貨店売上高(4月)、米・新築住宅販売件数(4月)、台湾・台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)(27日まで)など

5月25日(水):日・黒田日銀総裁が「2022年国際コンファランス」で講演、米・耐久財受注(4月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月3-4日会合分)、米・決算発表→エヌビディアなど

5月26日(木):日・ソニーグループが2022年度事業説明会開催(27日まで)、米・GDP改定値(1-3月)、米・中古住宅販売成約指数(4月)、米・中・決算発表→アリババグループ、百度、コストコ、デル・テクノロジーズなど

5月27日(金):日・東京CPI(5月)、中・工業企業利益(4月)、米・個人所得/個人消費支出(4月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(4月)など