■強含み、ユーロ圏の金融不安はやや後退



今週のユーロ・ドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)に追加利上げ観測は後退していないこと、米利上げ停止の思惑が浮上したことを受けてユーロ売り・米ドル買いは縮小。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は「ユーロ圏の銀行システムは強い」との見方を伝えたことから、ユーロ圏内の金融不安はやや後退し、リスク回避のユーロ売りは縮小。米長期金利の低下もユーロ買い・米ドル売りにつながった。取引レンジ:1.0631ドル-1.0930ドル。



■もみ合いか、ECBはインフレ抑止も根強い金融不安



来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)によるインフレ抑制に前向きな見解が相次ぎ、ユーロは売りづらい。ただ、UBSによるクレディ・スイス買収後も金融システム不安は根強く、一段のユーロ買いを抑制しそうだ。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを堅持するものの、近い将来における利上げ休止の可能性から米金利高・ドル高は弱まろう。



予想レンジ:1.0650ドル−1.0850ドル



■下げ渋り、米利上げ停止観測でユーロ売り縮小



今週のユーロ・円は下げ渋り。欧州中央銀行(ECB)に追加利上げ観測は後退していないこと、近い将来における米利上げ停止の可能性が浮上したことから、リスク回避的なユーロ売り・円買いは縮小。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は「ユーロ圏の銀行システムは強い」との見方を伝えたことも材料視されたようだ。取引レンジ:138円83銭−143円63銭。



■上げ渋りか、欧米金融不安は解消されず



来週のユーロ・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は直近の理事会で大幅利上げを決定し、今後も域内のインフレ抑止に前向きのためユーロ買いに振れやすい展開となりそうだ。ただ、欧米金融システム不安は根強く、ユーロ買いは一部にとどまる見通し。リスク回避的な円買いも継続し、ユーロの下押し要因に。ただ、ドル・円は下げづらく、ユーロ・円を下支えしよう。



○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・31日:2月失業率(1月:6.7%)

・31日:3月消費者物価コア指数(2月:前年比+5.6%)



予想レンジ:139円00銭−142円00銭