9日の日経平均は3日ぶりに反発。623.90円高の32265.17円(出来高概算15億2000万株)で取引を終えた。前日の米国市場でハイテク関連株が中心に買われた流れを引き継いで、買いが先行して始まった。また、6月限の株価指数・オプションの特別清算指数(SQ)算出日を波乱なく通過したことで、再び外国人投資家の資金流入に対する期待感もあり、日経平均は大引け間際に32304.04円まで上げ幅を広げた。



東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、海運、空運、石油石炭、鉱業の4業種を除く29業種が上昇。卸売、電気ガス、医薬品、ゴム製品、機械の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>、第一三共<4568>が堅調で、ファーストリテ1銘柄で日経平均を約157円押し上げた。半面、ソフトバンクG<9984>、積水ハウス<1928>、太陽誘電<6976>が軟化した。



前日の米国市場は、新規失業保険申請件数が1年半ぶりの高水準となったことで利上げ継続観測が後退、ハイテク関連株中心に買われ主要株価指数は上昇した。これを受け値がさ株中心に幅広い銘柄に投資資金がシフトした。またSQ後に相場が調整するとみて売り持ちしていた短期筋の買い戻しも加わり、日経平均は600円超の上昇となった。個別では、欧州系証券が目標株価を引き上げたファーストリテが大幅に反発したほか、商社株が上伸したことなどが相場を支えた。



SQを通過したことで、投資家の関心は13日からのFOMCの結果やそれを受けた米国市場の動きに移っている。FOMCでは利上げの見送りが大半の予想だ。前日の労働関連指標を受け、7月以降も利上げが見送られることになれば、米景気後退懸念が払しょくされ、米国株の騰勢が強まることが予想され、海外投資家の日本株買いも一段と強まることへの期待感を抱く投資家が多い。ただ、海外勢は3月末から日本株投資を始めているだけに、買いの勢いが一時的に途切れることへの警戒感も出始めており、楽観論が修正されることも想定しておきたい。