10日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米国のインフレ再加速や引き締め的な金融政策の継続を見込んだドル買いは継続の見通し。ただ、高値圏では日本の為替介入が警戒され、ドルの上値は抑制されるだろう。



前日発表された米新規失業保険申請件数は顕著に悪化し、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策方針を弱める内容となった。それを受け米10年債利回りの低下でドルは全面安となり、ユーロ・ドルは1.0720ドル台から1.0780ドル台に浮上、ドル・円は155円90銭台から155円40銭付近に下げた。ただ、本日アジア市場で米金利は下げ渋りドル売りは後退。ドル・円は155円前半から後半に値を戻している。



この後の海外市場は引き続き金融政策がテーマ。今週は米金融当局者のタカ派的な政策姿勢が改めて示され、利下げに対する慎重姿勢が意識される。今晩発表のミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率が堅調なら金利高・ドル高を後押ししよう。一方、ドル・円は155円台で買戻し意欲が強く、下値の堅さが目立つ。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)直後の円急伸が想起され、日本政府の為替介入への警戒は根強い。



【今日の欧米市場の予定】

・20:30 欧州中央銀行(ECB)4月理事会議事要旨

・21:30 カナダ・4月失業率(予想:6.2%、3月:6.1%)

・22:00 ボウマン米FRB理事講演(金融安定化リスク関連)

・23:00 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:76.2、4月:77.2)

・23:00 ローガン米ダラス連銀総裁質疑応答

・23:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁質疑応答

・01:45 グールズビー米シカゴ連銀総裁質疑応答

・03:00 米・4月財政収支(予想:+2500億ドル、23年4月:+1761.81億ドル)