10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は反発、金利上昇で金融株買われるも商いは閑散

・ドル・円は伸び悩み、節目付近で売り

・値上り寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はファーストリテ<9983>



■日経平均は反発、金利上昇で金融株買われるも商いは閑散



日経平均は反発。前営業日比188.26円高(+0.49%)の38872.19円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。



7日の米国株式市場は下落。ダウ平均は87.18ドル安(−0.22%)の38798.99ドル、ナスダックは39.99ポイント安(−0.23%)の17133.13、S&P500は5.97ポイント安(−0.11%)の5346.99で取引を終了した。5月雇用統計が想定以上に強く早期利下げ期待を受けた買いが後退し、寄り付き後、下落。同時に、経済に楽観的な期待も広がり、一時上昇する局面もあったが、長期金利上昇を嫌気した売りに押され、相場は下落で終了した。



米国株は下落したものの、為替の円安推移などを材料に東京市場はやや買い優勢で取引を開始した。日経平均は寄付きからじりじりと上昇し38800円台でのもみ合いとなった。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.0%台に乗せたことなどから、時価総額が大きい金融株が相対的に買われたこともあり、TOPIXの上げがやや目立った。



日経平均採用銘柄では、長期金利上昇を受けてSOMPOホールディングス<8630>、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>、東京海上<8766>など保険株が上昇したほか、ソシオネクスト<6526>、SUMCO<3436>、レーザーテック<6920>など半導体の一角も堅調。このほか、シャープ<6753>、日立<6501>、富士通<6702>が買われた。



一方、証券会社のネガティブなレポートを受けて花王<4452>が売られたほか、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>など船株も弱い。このほか、積水ハウス<1928>、アステラス製薬<4503>、大成建設<1801>が売られた。



業種別では、保険業、石油・石炭製品、ゴム製品、輸送用機器、陸運業などが上昇した一方、海運業、その他製品、証券・商品先物取引業、空運業の4セクターのみ下落した。



プライム市場の売買代金は1.6兆円台に留まっており先週末同様、商い閑散となっている。今週は日米の中央銀行会合が予定されていることから、商い閑散で方向感に乏しい地合いは続くと想定。一方、週末の日本銀行による金融政策決定会合開催を受けて、債券市場は思惑先行の地合いとなりやすいことから、金利動向も要注意となろう。後場は前場同様、商い閑散のなか金利動向をにらんだ地合いを想定。39000円台を試す可能性はあるが、買いは続かないと考える。



■ドル・円は伸び悩み、節目付近で売り



10日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。156円71銭から156円99銭まで上昇後、高値圏でのもみ合い。米10年債利回りの高止まりでドル買いに振れやすいほか、日経平均株価の堅調地合いで円売り基調に。ただ、節目付近の売りが重石となった。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は156円71銭から156円99銭、ユーロ・円は168円84銭から169円17銭、ユーロ・ドルは1.0765ドルから1.0781ドル。



■後場のチェック銘柄



・ジェイック<7073>、ジオコード<7357>など、3銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値上り寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はファーストリテ<9983>



■経済指標・要人発言



【経済指標】



・日・1-3月期GDP2次速報:前期比年率-1.8%(予想:-2.0%、1次速報:-2.0%)

・日・4月経常収支:+2兆505億円(予想:+1兆6935億円、3月:+3兆3988億円)



【要人発言】



・ブレイナード国家経済委員会(NEC)委員長

「雇用統計、国内労働者にとり良いニュース」

「賃金の上昇は、消費者にとりプラス」

「消費者にとってコストは依然高過ぎる。我々は引き続き、ガソリンや日常品価格を巡る戦いを続ける」



<国内>

・14:00 5月景気ウォッチャー調査・現状判断(4月:47.4)



<海外>

特になし