■ウェーブロックホールディングス<7940>の今後の見通し



2. 事業戦略

(1) 成熟分野における稼ぐ力の再構築

a) 地中熱と既存分野の連携強化

マテリアルソリューション事業の収益力強化施策の1つとして、SDGsの観点(脱炭素社会の実現、働く環境の改善)から、今後の需要拡大が期待される地中熱ビジネスと既存分野の連携強化を進める。地中熱ビジネスについては、販売ターゲットとして施設園芸、工場・倉庫等の2分野に重点的に注力する方針である。施設園芸向けには農業資材(遮光ネット、防虫網、ビニルハウスなど)との組み合わせ、工場・倉庫向けでは産業資材(間仕切りシート、仮設、テントなど)との組み合わせにより、より付加価値の高いソリューション提案が可能となり、受注獲得のチャンスが広がるとともに、農業資材や産業資材の売上拡大につながるものと期待される。



営業活動については、直販だけでなく卸商社との連携を進めるほか、メディアマーケティングによって潜在需要を掘り起こしていく。また、省エネ性能の向上に向けた技術開発(計測・制御、熱交換・循環分野)を継続し競争力の維持向上を図るほか、施工面でも子会社のエイゼンコーポレーションとの連携だけでなく、パートナー企業との協業体制を確立することで営業エリアを拡大する考えだ。地中熱を活用した省エネシステムは、政府や自治体の補助金制度を活用できるケースもあるため※、導入メリットの認知度が広がれば売上規模も一段と拡大する見通しだ。当初は設計・施工ノウハウを蓄積するため小規模案件から手掛けていたが、最近は1億円を超える大型案件の商談も進んでいる。



※2023年1月に自社工場(ダイオ袋井工場)に投資額1億円強で導入した。うち半分は補助金を活用している。年間の光熱費の削減効果は14百万円程度と試算しており、補助金を活用することで投資額を約4年で回収できる計算となる。システムは15年程度利用できるため、通算すると1.5億円のコスト削減効果が期待できるほか、CO2の排出量削減に貢献することになる。また、働く環境が良くなることで従業員の生産性向上といった効果も期待される。





b) 低成長・低収益分野の構造改革と生産の最適化による収益改善

マテリアルソリューション事業では多くの製品を販売している。低成長・低収益分野に属する製品については生産の最適化などにより収益性を改善していくが、収益改善が見込めない分野については整理・統合し、成長や高収益が期待できる分野へ経営資源を重点的に投入していくことで、収益力を強化する。また、生産体制についても国内委託工場や外注加工の再編を進めるとともに、国内外の生産バランスを最適化していくことでコストダウンを図る。なお、後述する持分法適用関連会社のRP東プラとの協業プロジェクトについての協議も進めており、今後の収益改善に寄与するものと期待される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)