週明け10日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比14.99ポイント(0.05%)安の28595.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が47.93ポイント(0.45%)安の10651.07ポイントとそろって続落した。売買代金は1635億1200万香港ドルとなっている(7日は1534億9700万香港ドル)。





指標発表が気がかり材料として意識される流れ。あす11日には今年4月の中国物価統計が公表される。最新のコンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の上昇率は前月からそろって加速する見込みだ。このところインフレ高進、金利上昇の警戒感がくすぶっているだけに、内容を見極めたいとするスタンスが強まっている。先週末の米株高や、非鉄や原油の市況高を手がかりに買い先行したものの、上値は重く、指数は中盤からマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が7.1%安、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が3.2%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が2.6%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.1%安と下げが目立った。美団に関しては、最高経営責任者(CEO)の王興氏が昨日、中国の歴史的な焚書(言論統制のひとつとして、為政者が意に沿わない書物を燃やす行為)に書かれた一節を投稿したことがネガティブ。政府批判をしたのではないかとみられている。





セクター別では、「巣ごもり消費」関連銘柄の一角が安い。上記した美団やアリババのほか、ライブ動画アプリの映客互娯(インカー:3700/HK)が2.9%、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が2.6%ずつ下落した。





中国不動産セクターの一角もさえない。合景泰富地産HD(1813/HK)が3.9%安、中国恒大集団(3333/HK)が2.1%安、首創置業(北京キャピタル・ランド:2868/HK)が1.9%安、万科企業(2202/HK)と融創中国HD(1918/HK)がそろって1.1%安で引けた。





半面、石油や石炭のどエネルギー関連セクターは物色される。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)と中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)がそろって4.6%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.7%高、エン州煤業(1171/HK)が7.2%高、中国神華能源(1088/HK)が5.6%高、中国中煤能源(1898/HK)が4.6%高で取引を終えた。





非鉄や鉄鋼の素材セクターも高い。江西銅業(358/HK)が12.3%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が11.5%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が10.1%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.1%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が14.4%、重慶鋼鉄(1053/HK)が13.8%、中国東方集団HD(581/HK)が12.9%、鞍鋼(347/HK)が6.7%ずつ上昇した。先週末のロンドン金属取引所(LME)では、銅先物が史上最高値を更新し、アルミ先物も高値圏で推移。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)でも、非鉄や鉄筋などの先物価格が軒並み上昇している。





他の個別株動向では、上海復星医薬集団(2196/HK)が25.1%高。上場来高値を5月3日以来、1週ぶりに更新している。同社は9日、子会社の復星医薬産業と独ビオンテックが新型コロナウイルスワクチンの生産・商業化を担う合弁会社を設立すると発表した。





一方、本土市場は4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.27%高の3427.99ポイントで取引を終了した。非鉄や鉄鋼の素材株が高い。石油・石炭株、産金株、医薬品株、自動車株、発電株、海運株なども買われている。半面、不動産株は安い。金融株、ハイテク株、食品飲料株も売られている。



亜州リサーチ(株)