週明け27日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比218.41ポイント(1.17%)高の18827.35ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.89ポイント(1.25%)高の6688.13ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は1188億5800万香港ドルにやや縮小している(24日は1267億1200万香港ドル)。





中国経済指標の改善が相場を支える流れ。寄り付き後に公表された4月の工業企業利益は前年同月比で4.0%増加し、3月の3.5%減から大きく上向いている。米ハイテク株高もプラス。27日の米株市場では、人工知能(AI)ブームをリードする米半導体大手エヌビディア株が大幅続伸し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が史上最高値を更新した。指数は前場にマイナス圏で推移する場面もあったが、後場には上げ幅を拡大した。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が8.9%高の12.04香港ドルと急伸し、5月22日に付けた上場来高値を塗り替えた。レノボは21日、自社初のビジネス向け次世代AIパソコンを発表。AIブームを意識して買い進まれた。





このほか、石薬集団(1093/HK)が後場プラス圏に浮上し、7.8%高で終了。同社が本日の昼休み時間に発表した1〜3月期決算は増収率、増益率ともに2ケタ台に加速した。ほか中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.4%値上がり。IC産業振興に向けた国策ファンド、国家集成電路産業投資基金の第3期ファンドがこのほど立ち上げられた。登録資本は3440億人民元と過去最大の規模だ。





他の個別株動向では、取引再開した中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が86.8%高と急騰。経営改善の期待が高まる。同社は26日、親会社で経営再建中の恒大集団(3333/HK)が保有する同社株を全て売却する方向で、独立第三者と基本合意したと報告した。このほか、潜在的な買い手は恒大汽車に対し、電気自動車(EV)事業を運営するために融資支援することでも基本合意している。恒大集団は香港での清算命令に伴い売買を一時停止中だ。





半面、決算発表が一巡したことで、大型テック株の一角は安い。網易(9999/HK)が2.0%安、京東集団(9618/HK)が0.7%安などとなった。





本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.14%高の3124.04ポイントで取引を終了した。エネルギー株が高い。電力設備株、金融株、公益株、非鉄株なども買われた。半面、不動産株は安い。建材株、通信株の一角も売られた。



亜州リサーチ(株)