いわき官製談合、大松興産が最低制限価格で8件入札 24年1月以降

みんゆうNET6/20(金)7:15

いわき官製談合、大松興産が最低制限価格で8件入札 24年1月以降

役員2人が逮捕された大松興産=19日午後、いわき市小名浜

 いわき市水道局の工事入札を巡る官製談合事件で、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された松原文司容疑者(74)=同市小名浜字定西=が社長を務める管工事会社「大松興産」(いわき市)が、逮捕容疑となった入札以外にも複数の一般競争入札で、最低制限価格と同額で入札していたことが19日、市の入札結果で分かった。立件された2024年1月18日の入札から同年9月にかけて、同社は少なくとも8件の工事で最低制限価格と同額で入札していた。県警もこの事実を把握しており、不正がなかったかどうか調べている。

 官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された市水道局工務課技術主任、真山佳幸容疑者(34)=同市泉ケ丘2丁目=が、松原容疑者と息子で同社取締役の文隆容疑者(48)=公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕=と仕事を通じて知り合ったことも捜査関係者への取材で分かった。県警は、会社役員側が設計金額などを教えるよう働きかけた可能性があるとみている。

 市によると、真山容疑者が設計金額を漏らしたとされるのは平下平窪配水管改良工事の一般競争入札。予定価格の基になる設計書の積算に誤りがあったにもかかわらず、同社が最低制限価格と同額の5070万7453円で落札した。

 県警は松原、文隆の両容疑者が真山容疑者から設計金額などの教示を受けて落札したとみており、贈収賄容疑での立件も視野に、金品などの授受がなかったかどうかも調べる。

 落札は2件

 水道局発注の入札結果によると、大松興産が最低制限価格と同額で入札した8件のうち、同社が落札したのは2件だった。

 立件された平下平窪配水管改良工事の入札では、設計書の積算誤りが分かった後、市は昨年、工事の入札を再度行ったが、再び最低制限価格の積算を誤った上、3社が誤った最低制限価格と同じ金額で入札していた。市によると、再度の入札について真山容疑者は設計を行っていない。市水道局は25年度以降に再入札を執行するとしていたが、いまだに実施されていない。

 市が設置した調査委員会が昨年まとめた調査結果では、設計単価など多くの情報が公開され、民間の積算システムの精度も上がっており、「同額で入札することは可能」としていた。

 いわき市、職員の倫理基準明文化へ

 職員の逮捕を受け、いわき市は職員の倫理的な基準やルールを明文化する方針を固めた。内容は今後詰めるが、早期の作成を目指すとしている。19日に開かれた市議会6月定例会の最終本会議で明らかにした。

 市によると、職員倫理条例を制定している県をはじめ、要綱や規則を設けた上で住民の疑惑や不信を招く行為の予防を図っている自治体がある。県の条例では職員の倫理原則や利害関係者との接触制限、贈与などの報告義務といった項目が規定されているという。これまでルールなどを明文化したものはなかったといい、こうした規定が公務に対する公正さや信頼性の担保につながると判断した。

 内田広之市長は最終本会議の冒頭に謝罪。「入札契約に関わる不正が二度と発生しないよう、職員全体の綱紀粛正を改めて徹底する」と語った。

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