石川町の公共工事入札を巡る官製談合事件を受け、石川町議会は17日、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された町長の塩田金次郎容疑者(76)の辞職に同意した。任期を約2年4カ月残し、同日付で塩田容疑者の辞職が成立した。また町選管は同日、町長選を6月25日告示、同30日投開票で行うことを決めた。
 塩田容疑者は15日、代理人弁護士を通じて近内雅洋町議会議長に辞職届を提出。町議会は17日に開いた臨時会で、近内議長を除く議員13人の全会一致で辞職に同意した。近内議長は「町政をここまで混乱させた以上、辞職するしかなかったのではないか」と話した。
 町長選を巡っては、新人の会社経営高橋翔氏(36)=郡山市=が立候補を表明、新人で元県議の円谷健市氏(70)が立候補に前向きな意向を示している。ほかにも立候補を模索する動きがある。3月1日現在の選挙人名簿登録者数は1万2088人(男性5985人、女性6103人)。
 官製談合、町が第三者委設置へ 入札制度の手続き見直し
 石川町の公共工事入札を巡り、塩田金次郎容疑者(76)が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されて町長を辞職した官製談合事件を受け、町は再発防止に向けた第三者委員会を設置する。6月6日開会予定の6月議会に設置の関連予算を盛り込んだ補正予算案を提出する。
 弁護士や大学教授など外部の有識者を委員として選定したい考えで、意見や提言を踏まえて入札制度や手続きを見直す。具体的な予算額などは今後決める。町は塩田容疑者が4月30日に逮捕されて以降、入札の執行を全面的に見送っており、担当者は「いち早く入札体制を見直せるよう準備したい」と話した。
 また、町は塩田容疑者の退職手当について、支払いを差し止める方針を決めた。週明けにも、首長らの退職手当の支給事務を担当する県市町村総合事務組合に差し止めの手続きを行う。町は支払いの可否について、今後の捜査状況などを踏まえて判断するとしている。
 塩田容疑者の5月給与について町は、塩田容疑者が在職した1〜17日の日割りの金額で支給する。町の条例に、町長が逮捕された場合に支給を差し止めるなどの条文がないためとしている。
 事件を受けて町議会からは条例改正を求める意見が出ており、町は6月議会に条例改正案の提出を検討している。