フルーツの色鮮やかな断面が楽しめるフルーツ大福。色とりどりのフルーツ大福を売っている、この店を経営しているのは、こちらの女性。朝9時、仕込みが終わると。「お疲れ様です。いってきまーす。」

フルーツ大福の専門店「凛々堂」。この店を経営しているのは、薄井華香さん。16歳の高校1年生だ。店をオープンするに当たって、会社を設立し、高校生で社長に就任した。

「凛々堂」経堂店経営・薄井華香さん:
実家が野菜の仲卸の仕事をしていて、廃棄される食材が毎日のようにたくさん出ていて。捨てられる食材を利用して何かしたいという思いがあって、第一歩として大福屋をはじめてみようかなということでお店を開きました。

薄井さんは、実家が石川県金沢市で青果の仲卸業をしていて、高校入学と同時に単身で上京。東京で1人暮らしをしながら、実家と取引がある凛々堂のフランチャイズ店を経営することになった。フードロス削減へ向け、まず取り組んだのが、完熟マンゴーを使ったこの大福。

「凛々堂」経堂店経営・薄井華香さん:
贈答用には向かないマンゴーで、こちらの色のムラとか、線だけでも販売できないようになっていて、これを使って大福を作っています。

宮崎県の1軒の農家のみで生産し、1本の枝から1個しか収穫できない「シャトーマンゴー」。高額で贈答用になることが多いため、少しでも傷があると、規格外品になってしまい価値が大きく下がってしまうという。

このマンゴーを買い取り、フルーツ大福にすることで、“新たな価値”をつけて販売することにした。

「凛々堂」経堂店経営・薄井華香さん:
皮をむいてしまえば中は同じ状態なので、2万円のマンゴーそのものの味が食べられます。

さらに、この夏からは、形の悪さや熟しすぎなどにより、フルーツ大福にできなかった果物をスムージーにして販売するなど、フードロス削減に向け、新たな試みを行っている。

毎朝6時から製造を開始し、週3日の学校の登校日も店頭に立つ薄井さん。そのみずみずしいパワーの先に、大きな志を持っている。

薄井華香さん:
多くの人たちにフードロスに興味を持ってもらうことと、果物と野菜に関心を多くの人に持って欲しいなと思っています。いまフランチャイズで、名を貸してもらっているんですけど、フードロスの飲食店というか、自分がもっとできることがあれば、いろんな人に提供できたらなと思っていて、自己ブランドを作れたらいいなと思っています。

内田嶺衣奈キャスター:
このニュースについては、デロイトトーマツグループの松江英夫さんに話をうかがいます。現役の高校生という若さで起業して、フードロス対策に取り組む、意識の高さもそうですし、とにかく頼もしく感じましたが、松江さんは、どうご覧になりましたか?

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:
頼もしい、たいしたもんですよね。最近の若い人は、社会の問題に対する感度が強くて、解決の手段として起業しようと自然に考えられる、本当に素晴らしい強みだと思いますし、大いに期待したいと思います。こういう人のように、意欲のある人が、どんどん増えていって欲しいなと思うんですけど、ただ世界を見ると、残念ながら、日本は厳しい状況にもあるんです。

内田嶺衣奈キャスター:
私の中では、若くして起業する人が増えている印象があるんですが、世界的に見ると、まだまだ少ないんですか?

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:
そうなんです。2019年にグローバルな調査をやった結果によると、起業意欲がある人の数を、世界50カ国を対象に調査した結果、あいにく日本は最下位というデータが出たんです。それはなぜなのか考えてみると、1つの大きな要因に「教育のあり方」があるのではないかと思うんです。実際、日本では、小中高校の中で、起業について考える・教えてもらう場面が、ほとんどないのが実態なんです。

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:
一方で、ヨーロッパ諸国の中では、起業家教育というのが、中高、大学も含めて、一貫して教育のプログラム・カリキュラムに組み込まれている、これが大きな特徴なんです。具体的には、起業する上で、自分の頭で、新しいアイディアを考えるだとか、金銭感覚、お金の使い方であるとか、チームで仕事をするとか、こういった能力というものを、具体的なカリキュラムに織り込んでいって、小学生から考えられるような環境整備をしている。これが大きい違いだと思うんです。

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:
さらには、最近は、実践の場としてビジネスコンテストのようなものを作って、イギリスでは2013年から取り組んで、かなり盛り上がりを見せている。こんなに大きく広がっているんですよね。

内田嶺衣奈キャスター:そういった取り組み、日本でもどんどん広がるといいですよね。

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:本当にそうですね。日本では、もっともっと広げる必要があると思います。まさに働きがいと経済成長というのは、SDGsの1つの項目でもあるので、日本も成長戦略を掲げる上で、起業できる人材・人づくり、これを中心に据えて、今までの教育のあり方自体を見直して、教育改革をしていく、こんな方向に加速する、こんな動きに期待してみたいと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
本当にそう思います。若い世代の皆さんの柔軟な発想や行動力、そういったものを活かしていくことは、個人の経験としてもそうですし、ゆくゆくは日本の社会全体に、大きく返ってくるかもしれません。チャレンジをしやすい環境作りが、より進んでいくといいですね。

(「Live News α」9月24日放送分)