間もなく投開票日を迎える自民党総裁選。様々な場を通じて政策論争が行われてきたが、世論へのアピールが必要な政治家にとって、ファッションも重要な要素の一つと言える。

派手すぎてもいけないが、他に埋没しないよう個性もうまく演出しなければならない。男性の場合は、スーツの色の濃淡にネクタイの色をどう合わせるかが重きを占めるが、女性の場合のファッションは本人のイメージに直結することもある

例えば、小池都知事は緑を基本としたファッション戦略をうまく取り入れて、世論へのアピールに成功した一人と言えるだろう。大統領夫人だったミシェル・オバマ氏も、ファッション戦略に成功して好感度を上げた。このように、ファッション戦略は、政治に関わる女性にとっては重要な要素の一つとなる。今回総裁選を戦う高市氏のファッション戦略を取材した。

“大物”からのファッションチェック

政治家にとって見た目はどれほど大切か、高市氏はある「大物」から指導を受けた。安倍前首相である。高市氏は「私が洋服をあまり持っていないので、クリーニングが上がってきた順に着ていた。それに対して安倍前首相から『スタイリストをつける』とか『服を買いなよ』というアドバイスがあった」と語る。さらに「眉毛を真っすぐに描いた方がいい」とのアドバイスまで受け、高市氏は「前首相はそんなに化粧に詳しくないけど」と思いながらも、素直に従った。

こうした背景には安倍氏自身も、第一次政権(06年)から第二次政権(12年)の再登板の際に、髪形をオールバックにし「強いリーダー」の姿を打ち出したことがあり、見た目が政治家にとって重要な戦略の一つであることを認識していたからと言える。

高市氏の買い物に同行

“指導”を受けた高市氏は早速動く。私たちは10年以上通っているという靴店への買い物に同行した。高市氏に靴へのこだわりを尋ねると「ヒールが6㎝くらい欲しい。それくらいが、細く見えるかなと思っている。ただ『気の持ちよう』だけど」と答えた。

また高市氏は「私は物持ちが良い方。排水溝など段差があるところで引っかけるので、よく直してもらう」と靴店では修理をよくお願いするという。今回購入した靴は2足で1万5840円。自身の財布から支払い買い物を終えた。一方で、高市氏は「通販」をこよなく愛しているそうで、自宅には割引の案内のはがきが届くという。

二人の女性候補が出馬 “かぶり防止”も重要

「野田聖子幹事長代行と被るので・・・。それとそんなにロイヤルブルーの服の枚数を持っていなくて」高市氏は政治信条など含めて、自身を表現できる色が「ロイヤルブルー」としていて、勝負カラーも「ロイヤルブルー」だ。

一方で、今回の総裁選は河野規制改革相、岸田前政調会長に加え、野田幹事長代行も出馬していて、総裁選史上初めて複数の女性候補者が出馬する展開となっている。そのため、討論会などで高市氏と野田氏の服の色がかぶることがあり、両氏とも「かぶり防止」に苦心している。

野田氏も高市氏と同じく青系の色を好むが、告示日の9月17日には青系の服を着る高市氏に対し、野田氏は逆に青を封印して緑系のチェック柄の服を着た。男性候補の河野氏と岸田前政調会長も、ネクタイの被りを気にしながらコーディネートを行っているという。

高市氏に投開票当日に着る服について聞いてみた。すると、「正式表明した記者会見で着た青系の色が良いのかな」と話した。ただ服のローテーションは、クリーニングの仕上がりの順番で決めているということで、当日正式に何を着るかはまだ決まっていない。

フジテレビ政治部 門脇功樹