東京都知事選に関する動きが、あわただしくなっている。

立候補を表明していた「つばさの党」の幹部らが、選挙を妨害した疑いで逮捕された。
一方、率直な物言いで注目される広島県の安芸高田市の市長は、任期途中に立候補を表明した。

警察車両の中で体を大きく揺らしながらダブルピース。
挑発しているのか、その姿は異様に映る。

そして、車から降りる際もピースをしたまま。
飛び跳ねるように報道陣のカメラにアピールしていた。

この男は、衆議院東京15区の補欠選挙で、ほかの候補者の選挙活動を妨害したとして17日に警視庁に逮捕された、つばさの党代表・黒川敦彦容疑者(45)。
さらに幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)と、「つばさの党」の3人が公職選挙法違反の疑いで逮捕された。

つばさの党の代表らの逮捕は、この先にも影響が。

黒川容疑者は、6月20日に告示される東京都知事選への立候補をすでに表明していたが、今回の逮捕で出馬は不透明な情勢に。

そして、混迷の様相を見せてきた都知事選で17日、新たな動きがあった。

午後1時過ぎ、広島・安芸高田市の石丸伸二市長(41)は「私、石丸伸二は、次の東京都知事選に立候補することを正式に表明します」とあいさつ。
任期途中の現職市長が、都知事選への立候補を表明した。

石丸氏は、率直な物言いで挑んだ議会との応酬がメディアで取り上げられ、その存在が広く知られるように。

安芸高田市長・石丸伸二氏(2022年6月)「(議員が)居眠りをする、一般質問をしない、説明責任を果たさない。恥を知れ! 恥を!」

4年前、初めて市長選に挑んだ際には、「安芸高田市が恋人」と地元愛をアピールしていた石丸氏。
なぜ、東京都知事選に挑むのか。

安芸高田市長・石丸伸二氏「安芸高田市長をまだまだ続けたかったと。それでも優先してやらなければならないことがある。それが、このたびの選挙(いつから都知事選を考え始めた?)4年前です」

そして、都知事になって成し遂げたいことの第一に「東京一極集中から多極分散へ」を挙げた。

安芸高田市長・石丸伸二氏「小池都知事、公約にいくつか“0”を掲げていたが、ほとんど『人口集中』『過密』に原因がある。住みやすさを東京で追求することが、地方の活性化につながる。一挙両得、小池知事の言葉を借りれば『アウフヘーベン』」

都知事として2期8年の実績を誇る小池氏への対抗意識をのぞかせた。

現在のところ、政党の支援を受けないとする石丸氏。
会見の終わりに、自ら17日のネクタイの色について、次のように触れた。

安芸高田市長・石丸伸二氏「今まで緑でやってきた。前回の選挙の写真も緑で、緑を着けることが多かったが、モロかぶりじゃないですか」

小池都知事のイメージカラーでもある緑を避け、紫を勝負カラーに選んだと語った。

ちょうど同じころ、紫の上着を着て定例会見に挑んでいたのは小池都知事。
3期目の都政に向けた意気込みを問われると...。

小池都知事「今、私現職でございますので、しっかりと毎日のこと、種まきを集中してやっていきたい」
記者「今のお答えは、3期目を目指すということを表明されたと理解してよろしいでしょうか?」
小池都知事「今、現職として目下の課題にしっかりと取り組んでいるということで、それ以上でも以下でもありません」

東京への一極集中解消を掲げ、17日、立候補を表明した石丸氏については...。

小池都知事「すでに立候補したいという方は十数名いるとうかがっております。また一極集中ということについて、どういうご意見を持っておられるのか、私よく存じ上げません」

都知事選をめぐっては、自民党は独自候補の擁立を見送る構えで、小池氏が出馬した場合には連携を模索することも視野に。

また、立憲民主党などの野党は、現在、候補者の選定を進めているとしている。