1年ぶりにハグする母と娘…アメリカ高齢者施設での対面可能に

しっかりと抱き合う女性2人。
アメリカの高齢者施設に入居中の母とその娘だ。1年ぶりに対面した親子は、久しぶりの再会を喜んでいた。

つい、ひと月ほど前まで、アメリカの高齢者施設では、面会をドライブスルーで行うなど、施設への立ち入りは禁止されていた。

家族との対面を可能にしたのは、“新型コロナのワクチン接種”

現在アメリカでは、世界最多の1億7000万回分、国民のおよそ35%が少なくとも1回目のワクチン接種を終えている。高齢者施設内での新規感染者数は、去年12月以降、およそ96%も減少した。

ワクチン接種で日常が戻ってきたように見えるが、この高齢者施設では、しっかりとマスクとフェイスシールドを着用。マスクを外す飲食では、4人がけのテーブルに1人ずつ。

高齢者施設のスタッフ:                                「マスクしなくていいよ」とか(言わず)今まで注意していることは変えません。でも不安が一番少なくなりましたね。気持ちの面が大きく変わりました。

「1日あたり300万回」ドラッグストアや球場でもワクチン接種

ワクチンの効果は医療現場でもあらわれていた。

今年1月、新型コロナによる死者が1日に4476人に達したアメリカ。重症者を受け入れていた病院はいま、どうなっているのか?アリゾナ州の病院に勤務する大久保恵太医師に話を聞いた。

メイヨー・クリニック 大久保恵太医師:
今はもうICU(集中治療室)でコロナの重症患者はほとんどいないです。
ロックダウンとかマスクとかの効果もあったと思いますけど、やっぱりワクチンが広がったということで重症者が減ったという印象は強いですね。

アメリカでワクチン接種が始まって4カ月。

短期間に多くの接種を行うことができた理由について、ニューヨークでコロナ患者を診てきた山田悠史医師はこう述べた。

マウントサイナイ医科大学 山田悠史医師:
今こちらでは、1日あたり約300万回の接種が進んでいまして、まず1つはマンパワーの確保。接種会場についても現在では身近なドラッグストアですとか、それから、ニューヨークですと野球のスタジアムなんかでも、接種が行われている状況です。

さらにバイデン大統領は…

バイデン大統領:                                       この国のすべての地域で、18歳以上のすべての成人が、4月19日までにワクチン接種を受けることができるようにする。

アメリカ国内でイギリス型の変異ウイルスが拡大する中、ワクチン接種のスケジュールを急遽2週間、前倒すと発表した。

イギリス国民の約半数が接種済み…ロックダウン解除へ4段階の「ロードマップ」

一方、イギリスでは、

ジョンソン首相:                                     私もパブへ行き、感染対策をしっかりして、間違いなくビールを飲むよ。

パブでビールを飲むと宣言したジョンソン首相。

変異ウイルスが猛威を振るい、1日の感染者が一時7万人に迫っていたが、その後、感染者数は急激に減少し、4月8日時点で日本の数値を下回っている。

イギリスで活動するジャーナリストの木村正人さんによると、感染者激減の理由は3回目のロックダウンと同時にワクチン接種を進行したことにあるという。

イギリスはアメリカと同じく去年12月にワクチンの接種を開始し、既に国民の47%が1回目の接種を終えたほか、2回目の接種を受けた人もおよそ700万人に達している。

イギリスはアメリカと同じく去年12月にワクチンの接種を開始し、既に国民の47%が1回目の接種を終えたほか、2回目の接種を受けた人もおよそ700万人に達している。

ロンドンは日常を取り戻しつつあるのか。イギリスでコロナの最前線で闘う鈴木亨(とおる)医師は、イギリスには学ぶべきことがあるという。

英国レスター大学 鈴木亨医師:
イギリスに来て一番勉強になることは疫学的な観察だとか、その科学的な根拠にもとづいた予想だとか、モデリングですね。ワクチンに向けたプランだとか、ロードマップも科学的な議論にのっとって行われています。

イギリス政府が示すロックダウン解除に向けたロードマップは、4段階のステップで構成され、
ワクチンの接種状況や新たな変異ウイルスによるリスクなど、あらかじめ決められたチェック項目をクリアすることで、次のステップへ進むことができる。このように制限を段階的に緩和していき、6月下旬、ロックダウンの解除を目指す。

国際ジャーナリスト 木村正人さん:
こういうステップを踏んでいったら、大体この時期にはこういう生活が保障されていますよってことを国民にきっちり提示していく。やっぱり非常事態宣言で締める、感染者が減ってきたら緩める、これを繰り返しても、このコロナは終わらないですからね。(イギリスは)一応出口が見えてきた。

一方で、医療の現場にいる鈴木医師は…

英国レスター大学 鈴木亨医師:
まだ終わっていないと思っています。
イギリスがよくても近くのフランス、イタリアが悪ければ戻ってくる可能性がある。
 

ワクチン接種と共に出口戦略を明示するイギリス。日本が学ぶべきことは…そして12日から始まる高齢者向けのワクチン接種で、私たちの生活はどのように変化するだろうか。

(「Mr.サンデー」4月11日放送分より)