【横浜F・マリノスeスポーツ/シャドウバース部門インタビュー|第3回】サッカーから受けた刺激「僕らもやらないと」(しーまん)

 2019年シーズンのJ1リーグを制した横浜F・マリノスは、Jリーグ創設から存在する“オリジナル10”でもあり、名門として知られる。日本スポーツ界を代表するビッグクラブはeスポーツ部門も保有し、「Shadowverse」(以下、シャドウバース)部門が2018年シーズンと2019年はいずれも後期リーグで準優勝という成績を残した。

 “マリノス”の看板を背負い、日々真剣勝負を繰り広げる選手たち。「Football ZONE web」ではシャドウバース部門のリーダーを務めるあぐのむ、そして特殊フォーマット「2Pick」を担当するしーまんの両選手に取材を実施。サッカーがJ1優勝を果たした2019年に抱いた思い、そしてeスポーツのフィールドから目指していく“理想像”を明かしてくれた。

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――2019年は横浜F・マリノスがサッカーJ1リーグ優勝を果たしました。当時、同じF・マリノスの一員としてどのような心境でしたか?

あぐのむ「2019年は僕たちもすごく調子が良くて(※1)、お互いに戦っている感じがあってとても良かったですね。ただ、僕たちはまだまだ小さい部門なので、気にしてもらえるように勝たないといけないなという気持ちのほうが強いです。実績を出して、『F・マリノスはeスポーツ部門も強い』と言われることを目指していきたいです」

しーまん「僕の中でもJ1のトップチームの活躍は影響がありました。調子が良い時にサッカーのことをツイートすると、反響がよかったこともあります。F・マリノスの記事を見ていても、戦術を変えて2年目に上手くいった話も面白かったです。それこそダブル優勝すれば話題にもなりますし、もっと注目されたいという意味でもプラスのモチベーションになっていました」

――J1優勝が決まった瞬間はどのような思いがありましたか?

しーまん「優勝を決めた試合は日産スタジアムで見ていました。みんな嬉しそうにしていて、『僕らもやらないとな』と思ったことを覚えています」

あぐのむ「優勝がほぼ決まった状態での試合だったので、シンプルに『優勝なんだな』と。それよりも『自分たちもやらなきゃな』という思いのほうが強くて、ずっとそう思っていました」

※1 後期リーグ勝利数1位。プレーオフで敗れて結果は準優勝となった。

「次世代のスター選手になっていきたい」(あぐのむ)

――今シーズンは残り3試合となりましたが、チームと個人の目標はどのように設定していますか?

あぐのむ「相当厳しい条件ではありますが、理想はプレーオフ進出(※2)です。全勝して、他のチームとの勝敗が噛み合えば進出できるので、一戦一戦を全力で大事にしていきたいと思います。あまりネガティブな想定はしたくないですが、仮に自分たちの力の及ばないところでプレーオフ進出の可能性が消えてしまったとしても、次のシーズンにつながるような姿を見せていきたいですね。いわゆる消化試合のような試合は見せたくありません」

しーまん「今シーズンの目標はもちろん優勝ですが、今はまだ遠すぎるので、まずは通過点のプレーオフ進出に注力しています。かなり厳しい状況ですし、自分たちの結果だけではどうにもならなくなる可能性もあるとは思うんですが、シャドウバースは突き詰めると個の競技なので、個は個として注目してもらえるように、しっかり良い試合を見せる必要があると思っています」

――それでは最後に少し視点を変えて、eスポーツ選手として成し遂げたいこと、取り組みたいことを教えてください。

あぐのむ「僕は今よりももっと強い影響力を持ちたいですね。現時点では、シャドウバースも全体から見たらそこまで注目されている競技とは言えません。まずは個人で影響力を持つことを第一目標にして、活動していきたいです。シャドウバースだけでの広がりではなく、『この人が面白い』『この人が面白く伝えている』と興味を持ってもらうことがすごく大事だと思います。そういう存在を目指していきたいですね。強い“個”の存在というのが、今の時代はすごく必要だと思います。シャドウバースには今、そういう存在があまりない。次世代のスター選手になっていきたいですね」

――eスポーツのスター選手とは、どういった存在になっていくのでしょうか。

あぐのむ「人それぞれの考え方があって、いろいろなタイプがいていいとは思います。僕が最近考えているのは、『面白くて分かりやすい』ということです。競技ですごく強いというだけでは、正直、発展はないかなと。面白くゲームを伝える、分かりやすく伝えるスター選手が必要だと思っています」

しーまん「僕は影響力や注目度のある選手になりたいと思っています。いろいろなメディアに露出するようになれば自ずとシャドウバースも盛り上がる。強いだけだと頭打ちな部分があるというのは、最近よく感じます。強くなるための練習を疎かにするわけではないですが、自分の特徴を生かした尖らせ方で、シャドウバースを知らない人の目にも付くような活動をしていければ、達成できるのかなと。注目されるために、そういう手段でやっていけたらいいなと思います」

あぐのむ「それが理想ですね。シャドウバースを知らない人が興味を持ってくれる人になりたい。それが今、大事だと思っています」

※2 4位までがプレーオフ進出。横浜F・マリノスは4位と勝利数「2」差の7位。

[PROFILE]
あぐのむ/1994年11月25日生まれ、新潟県出身。キャプテンとしてチームを引っ張る“トリコロールの貴公子”。「RAGE Shadowverse Wonderland Dreams」ファイナリスト、「JCG Shadowverse Open」優勝1回。

しーまん/1996年3月26日生まれ、神奈川県出身。特殊フォーマット「2Pick」担当としてプロリーグでは先鋒を務める“ハマの2Picker”。「JCG Shadowverse Open 2Pick」優勝4回。

Football ZONE web編集部