ジャマイカ戦で4人股抜き弾を決めた久保を絶賛「驚きのトリックショットのよう」

 東京五輪に向けて強化を進めるU-24日本代表は12日、豊田スタジアムでジャマイカA代表と対戦し、4-0で勝利した。

 本大会メンバー18人選出前の最終選考の舞台となった一戦を、海外の識者はどのように見たのか。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は4人股抜き弾を決めた久保建英を「ブラボーとしか言いようがない」と絶賛している。

 ◇   ◇   ◇

 もしも、SNSの世界に正義というものが存在するなら、日の丸のユニフォーム姿で決めたキャリアで最も偉大なゴールを決めた久保は、ネット上のセンセーションになるだろう。

 森保一監督のチームにとってはメンバー選考の最後のショーケースとなったが、久保の話題は様々な理由で人々のテーマになるだろう。

 怪我や新型コロナウイルスの妨害がなければ、このプレーメーカーは来月、母国の威信を一身に背負い、希望の光を与えるために五輪の舞台に立つことになる。日本のような国は久保のような傑出した個人に興味を集約してきた経緯がある。

 ジャマイカ戦ではまたしても凄まじい才能を見せつけた。精密なドリブル技術、全方位の視野、絶妙なタイミング……。すべてにスイッチが入った時、久保はどんな相手でも打ち負かせる自信を示す。

 ジャマイカ戦の4人股抜きゴールは別格だった。多少の運も関与したが、偉大なゴールを実現する時、天才はゾーンにしばし入る。対戦相手の動きをすべて事前に読み切ることもできるのだろう。

 デリケートなフェイントを見せてから、久保のシュートは相手の股間を抜けた。1人ではない。2人でも3人でもない。4人だ。4人なのだ! 煙草の煙が漂うビリヤード場で、百戦錬磨のギャンブラーがコーナーポケットに沈める、驚きのトリックショットのよう。何回見ても素晴らしい。4人抜きナツメグだ! ブラボーとしか言いようがないだろう。

グループとしてのパフォーマンスはクオリティーを高めている

 久保が君臨する日本はまたしても圧勝した。これはメダルの予感なのか、それとも単に対戦相手のレベルが予行演習に相応しくないほどに脆弱だったのか……。サポーターは頭を悩ませるかもしれない。

 その答えを知るには、もはや本大会のキックオフを待つしかない。だが、グループとしてのパフォーマンスはクオリティーを高めている。そして、メダル以外の結末は失望と日本は考えるべきだろう。

 ガーナも粉砕し、ジャマイカは一切の脅威を示さなかった。日本は吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航を加えて、上質なユニットとなった。

 堂安律も酒井とのコンビにより強力なアタッカーとして機能し、右サイドで本物の脅威となっている。森保監督は三笘薫か相馬勇紀、どちらを先発させるべきか、ジレンマを感じているかもしれない。

 だが、主役の座は決まっている。久保だ。日本は大会前の期待値が高い場合、悲惨な結末を迎える過去がある。2013年のコンフェデレーションズ杯で見事なプレーを見せた日本代表は1年後のブラジル・ワールドカップで散々な結果となった。

 今回のチームは高みを目指せるポテンシャルを持っている。国内のファンの期待値を超越するのか? 1968年のメキシコ五輪の偉業をも超えることもできるのか?

 53年ぶりとなるメダル獲得が現実のものにならないとは、誰に言えようか。

Football ZONE web編集部