チリ選手のノーゴール判定に現地メディア疑問符、FIFA推奨技術の未導入に注目

 東京五輪女子サッカーのグループリーグ第3戦「日本対チリ」で、チリ選手のシュートがノーゴールと判定された”疑惑のジャッジ”を巡り、論争の余波が拡大している。日本の対戦国のチリメディアは、東京五輪でゴールラインテクノロジーが導入されなかったことへ疑問符を投げかけている。

 問題となったのは、スコアレスで迎えた後半25分のシーンだ。日本のゴール前へ攻め込んだチリは、MFヤナラ・アエドからのクロスに反応したMFフランシスカ・ララがヘディングシュート。ボールはクロスバーを直撃し、そのままゴールライン上に落下する。これをGK山下杏也加が掻き出したものの、ゴールラインをボールが越えたかどうか、判断の難しいものだった。

 この場面で、メリッサ・ボルハス主審はゴールとは認めず試合を続行。その後、日本が途中出場のFW田中美南による決勝ゴールで勝利したこともあり、チリメディア「redgol」は「主審とVARによって地元へ有利に判定された。ホンジュラスのメリッサ・ボルハス主審は、音声でVARを確認しただけで、チリのゴールを退けた。しかし、この論争と疑念は長く続くだろう」と”疑惑”の目を向けていた。

 この判定に対する論争の余波は、現地メディアで拡大。「redgol」は「東京2020のスキャンダル:チリのゴール不許可の論争はFIFAの技術でチェックされていなかった」と見出しを打ち、東京五輪という大舞台でFIFA(国際サッカー連盟)が導入を推奨していたゴールラインテクノロジーがなかったことへ疑問符を投げかけている。

 記事では、東京五輪に向けてFIFAで作成されたレギュレーションに触れられ、「第16条で『レフェリングの判断をサポートするために、ボールがゴールラインを越えたかどうかを確認するために、自動ゴール検知を使用することができる』と記載されている」との規約を指摘。その一方で、同メディアがANFP(チリプロサッカー協会)に照会した情報によると、当該試合ではVARしかなく、主審は何らかの直接的な通知を受けていないことが確認されているという。

 こうした事実を踏まえ、同メディアは「メリッサ・ボルハス主審がVARで映像を確認するのが論理的であったが、この種の事例に指定された審判員がこの行為を行うことも可能だった。確かなのは、この疑問が宙に浮いたままになることだ」と綴り、万全とは言い切れない東京五輪における判定システムの体制に疑問の目を向けていた。

Football ZONE web編集部